2017 Fiscal Year Research-status Report
Simultaneous analysis of pyrazines, heterocyclic amines and 5-hydroximethylfurfural using liquid chromatography-tandem mass spectrometry.
Project/Area Number |
17K12890
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 友里 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (70758359)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ピラジン類6種の一斉分析メソッド確立 / 大気圧化学イオン化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
6種のピラジン類(pyrazine、2-methylpyrazine、2,3- dimethylpyrazine、2,6- dimethylpyrazine、2,3,5-trimethylpyrazine 、5-hydroxymethyl- 2-furaldehyde)についてLC-MS/MS分析のメソッドを作成することができた。 当初の計画はODSカラムを用いて分離を行う予定であったが、ピーク割れやテーリングの問題が発生したため、より分離能が高く、低圧力を維持することが可能であるAgilent Poroshell 120 HPLC Columnに変更したところ、この問題を改善することができた。また、ピラジン類は揮発性物質であり、特にpyrazineや2-metylpyrazineはESI(エレクトロスプレーイオン化)法によるイオン化が難しく、感度が低かったことから、イオン化方法をAPCI(大気圧化学イオン化)法を用いたことにより、これを改善することができた。 現在、pyrazineと2-metylpyrazineについて、安定同位体標識化合物を内部標準物質に用いて定量することとし、この2化合物も含めてメソッドを確立しているところである。 また、確立したメソッドを用いて市販の緑茶飲料とコーヒー飲料、茶葉またはコーヒー豆の抽出液を用いて分析を行った。茶試料およびコーヒー試料については、スルホサリチル酸またはアセトニトリルによる除タンパク処理を行い使用したところ、スルホサリチル酸処理において良好なピークを得ることができた。また、標準品の濃度を変えて添加し、H2O中に添加した場合と比較することにより夾雑物の影響を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であったピラジン6種の一斉分析メソッドを確立することができ、茶やコーヒーなどに添加して夾雑物の影響の検討を始めている。安定同位体標識化合物を内部標準物質に用いた定量については、まだ検討の余地があるが、おおむね順調に進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度確立した方法をもとに、ヘテロサイクリックアミン類(2-amino- 3-methylimidazo [4,5-f] quinolone (IQ)、 2-amino- 3,8-dimethylimidazo [4,5-f] quinoxaline (MeIQx) 、2-amino- 1-methyl- 6-phenylimidazo [4,5-b] pyridine (PhIP)など)も同時に分析する方法を確立し、少しずつ一斉分析できる物質を増やしていく。ヘテロサイクリックアミン類は発がん性が疑われる物質でもあるメイラード反応産物である。食品の嗜好性などに影響を与える、安全性が認められているピラジン類とともに分析することにより、広くその食品の特徴を捉えることができると考える。 さらに、そのメソッドを用い、食材や調理法による違いによる、ピラジン類、ヘテロサイクリックアミン類の生成量の違いについて分析を行う。食品中の定量分析については、現在行っている茶やコーヒーに続いて醤油などの液体から分析を行い、固形試料中での分析も行っていく。その加熱による温度履歴の分析などから、調理条件の違いにより生成量にどのような差ができるかを明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度必要とする物品を購入した残金が、次年度でも使用可能なカラム類等の金額に満たなかったため、次年度の助成金と併せてヘテロサイクリックアミン類を合わせた分析方法の確立において必要な標準品、カラム等の購入に使用する。
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