2017 Fiscal Year Research-status Report
雑穀粉との複合化による新規大豆粉利用食品の開発とその機能性評価
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17K12891
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
辻 美智子 名古屋女子大学, 家政学部, 講師 (50706819)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大豆 / 雑穀 / レオロジー特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
大豆粉パンの膨化と食感を改良するために、大豆粉に雑穀粉を併用し、そのレオロジー特性及び機能性成分の挙動を明らかにすることを目的としている。平成29年度は、雑穀粉の粉体特性を明らかにし、パンの試作では雑穀粉パンの最適調製方法を検討した。 雑穀粉はアマランサス粉を選定し、その成分は炭水化物68%、たん白質13%、脂質7%を含有し、平均粒径は133μmであった。また、澱粉は57%であり、そのうちアミロペクチンが9割を占めていた。アマランサス粉の吸水特性として、平衡含水率は1.13g-water/g-dry matterであり、最大吸水量に達するまでの時間は44分であった。アマランサス粉の糊化特性として、糊化開始温度は73℃となり、小麦澱粉(66℃)よりも高くなった。最高粘度は649mPa・sと低く、ブレークダウンは143mPa・sと小さくなった。セットバック値は100mPa・sと低値を示し、粘度の上昇はみられず、老化は起きにくい澱粉であると考えられた。 パンの試作では、大豆粉とアマランサス粉の配合割合を検討する前に、アマランサス粉の製パン性について検討した。最適調製方法を検討するために、加水量を80~110%の5段階に設定しパンの特性値を調べた。その結果、加水量が多くなるにつれてパンの比容積は大きくなり、加水量95%時の比容積が最大となったため、最適加水量に決定した。また、テクスチャー特性値のかたさでは、加水量が増えるほど減少しやわらかくなった。発酵時間の検討では、発酵時間0~60分の間で検討した。発酵10~30分におけるパンの比容積が最も高くなったため、最適発酵時間帯としたがさらなる検討が必要である。破断特性値の25%圧縮時応力では、発酵0分から10分にかけて有意にやわらかくなったが、その後の変化はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アマランサス粉の粉体特性(成分分析、粒度分布、吸水特性、糊化特性)を明らかにし、アマランサス粉パンの最適調製方法について検討した。当初の予定では、大豆粉とアマランサス粉を複合化したパンの最適配合割合及び最適調製方法の決定までを予定していたが、次年度に実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
大豆粉とアマランサス粉を複合化したパンの最適配合割合及び最適調製方法の検討を行うために、製パン性(比容積、物性特性、テクスチャー特性、色度等)と嗜好性(官能評価)について評価する。また、最適配合割合のパン生地については、流動特性、テクスチャー特性を評価し、生地の特性について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
本研究を円滑に進めるために、研究上必要不可欠かつ使用頻度の高い機器の自動化更新を優先した。そのため、研究計画当初に予定していた機器の購入を見送り、次年度使用が生じた。次年度使用の計画としては、次々年度に使用予定である機器の購入のために使用を予定している。
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