2019 Fiscal Year Research-status Report
雑穀粉との複合化による新規大豆粉利用食品の開発とその機能性評価
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17K12891
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
辻 美智子 名古屋女子大学, 健康科学部, 講師 (50706819)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大豆粉 / パン / レオロジー特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
大豆粉パンの膨化と食感を改良するために、大豆粉に雑穀粉を併用し、そのレオロジー特性及び機能性成分の挙動を明らかにすることを目的としている。2019年度は、主原料の大豆粉を新たに選定し、その粉体特性及び製パン性について検討を行った。 大豆粉の成分は、炭水化物27%、たん白質36%、脂質25%であり、平均粒子径は30μmであった。製パン性は、加水量と発酵時間について検討した。加水量の検討では、大豆粉に対して120~170%の範囲について、パンの外観、比容積、破断特性を評価した。発酵時間の検討では、発酵0~60分の10分間隔で、加水量の検討と同様の評価を行い、さらにパン生地の膨化性についても行った。 その結果、加水量の検討では、加水量140%まではパン上面の膨らみを保つことができたが、150%以降はケービングが起こり、パン内相の気泡が大きく、きめが粗くなった。比容積は加水量が多くなるにつれて増大した。25%圧縮時応力は、加水量が多くなるにつれて低下し、パンが軟らかくなることが示唆された。大豆粉パンの最適加水量は、パンの比容積が大きく、パン上面のケービングが起きないことを条件とし140%とした。発酵時間の検討では、発酵0分から50分にかけてパン生地は膨化したが、それ以降の膨化はみられなかった。パンの比容積においても、発酵時間とともに比容積は大きくなり、発酵50分で最大となった。大豆粉パンの最適発酵時間は、パン生地の膨化性及びパンの比容積で最大を示した発酵50分とした。新たに選定した大豆粉の粉体特性、製パン性の結果をもとに、アマランサス粉を複合化したパンの製パン性、機能性の評価に繋げる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で使用していた大豆粉が生産中止となり、入手不可となった。代替の大豆粉を調査し、新たに選定した大豆粉の粉体特性、製パン性について検討を行う必要があったため、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに選定した大豆粉の粉体特性、製パン性の結果をもとに、アマランサス粉を複合化したパンを調製し、そのレオロジー特性及び機能性の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(次年度使用が生じた理由) 本研究で使用していた大豆粉が生産中止となり入手不可となったため、新たに選定した大豆粉の粉体特性、製パン性について検討を行った。これらの実験項目は、2017~2018年度の実験項目と重複するため、既存の試薬、機器を利用して実施することができ、当初予定していた機器の購入を控えた。 (使用計画) パンの機能性評価に必要な試薬、機器を購入し、研究成果をまとめるために論文の英文校正にかかる費用、印刷費等に使用する予定である。
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