2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of effects of probiotics on intestinal microbiota in vitro
Project/Area Number |
17K12897
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 大介 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命助教 (00650615)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 食物繊維 / プレバイオティクス / 機能性食品 / 腸内細菌叢モデル / 腸内フローラ |
Outline of Annual Research Achievements |
神戸大学では、in vitroヒト腸内細菌叢モデル(Kobe University Human Intestinal Microbiota Model [KUHIMM])を構築し、成果を報告している。 KUHIMMはヒト便検体の培養により、個人ごとに異なる大腸内細菌群の菌数・菌種の保持および短鎖脂肪酸(SCFAs)(ヒトの健康に様々な影響を与える物質)濃度のバランスを再現できる。初年度(1年目)は、機能性食品・プレバイオティクスとして種々の食物繊維素材を用い、ヒト腸内細菌叢および代謝プロファイルに対するこれらの影響をKUHIMMで試験し、さらにはヒト介入試験を実施して比較することでKUHIMMの有効性を比較評価した。次年度(2年目)は、1年目の結果から「腸内細菌叢とSCFAs生産に影響を与えうる食物繊維の種類が個人ごとに異なる」という知見を詳しく掘り下げる研究を実施した。KUHIMM培養液中のSCFAs濃度や腸内細菌の構造だけでなくその他のパラメーターの挙動を測定し、食物繊維素材の構造等との相関関係を解析した。最終年度である3年目は、2年目の解析を続いて行い、検体数とその結果を集積した。具体的には、KUHIMM培養は健常人の便検体を接種源とし、構造様式の異なる食物繊維を培養のある時間に添加し、そこから24時間の培養を行った。経時的に培養液を採取してSCFAs濃度を測定するとともに、次世代シーケンサーによる16S rRNA遺伝子の網羅的な解析を行った。その結果KUHIMMは、食物繊維の構造の特徴とヒト腸内細菌による分解の特徴とを結びつけた。つまり、構造の異なる種々の食物繊維について、実際にヒトが摂取する必要なしに、その機能性を予測できる可能性を示すことに成功した。最終年度にまとめた解析結果については、特許化および海外学術誌に提出済みである。
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Research Products
(5 results)