2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the promotion mechanism for flavonoid absorption by oligosaccharide
Project/Area Number |
17K12908
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Research Institution | Sapporo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
松川 典子 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (00563868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オリゴ糖 / フラボノイド / ケルセチン |
Outline of Annual Research Achievements |
フラボノイド吸収に影響を与えるオリゴ糖の種類について動物実験により検討した。フラボノイドとしてケルセチン、オリゴ糖としてフラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖、ラフィノースの3種を用いた。昨年度に引き続き、血中および尿中のケルセチン代謝物濃度を分析した。その結果、試験食摂食2週間後の血中ケルセチン代謝物濃度は、コントロール群に比べフラクトオリゴ糖および乳化オリゴ糖添加群で低値を示し、ラフィノース添加群では高値を示した。ラフィノース添加群とフラクトオリゴ糖群の比較では、有意にラフィノース添加群に比べフラクトオリゴ糖群で低かった。尿中ケルセチン代謝量は、1週目では各群の差は認められず、2週目でコントロール群に比べフラクトオリゴ糖群で低値を示したが有意な差は認められなかった。これまでの研究結果では、ケルセチン配糖体はフラクトオリゴ糖の摂取によって、血中ケルセチン代謝物濃度が増加していたが、本研究では、反対に低下していた。本研究で用いたフラボノイドはケルセチンアグリコンであり、糖が結合していないため溶解性が低い。この性質の違いが小腸でのケルセチン吸収に影響を与えた可能性が考えられる。実際にケルセチンアグリコン摂取後の血中ケルセチン代謝物濃度は、配糖体摂取時の1/2~1/3程度であった。オリゴ糖がその吸収量に与えた影響について、現在解析中の糞便、盲腸内容物中のケルセチン代謝物量および腸内細菌叢の解析結果を基にさらに関連性を見出す予定である。
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