2018 Fiscal Year Annual Research Report
Different Amino Acids Quality and Quantity and Metabolic Syndrome: Interaction between Bile Acids and Microbiota
Project/Area Number |
17K12911
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
横山 葉子 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教 (10617244)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 代謝疾患 / 胆汁酸 / 栄養バランス / 腸内細菌 / 糖尿病 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
エネルギー源となる炭水化物・タンパク質・脂質の科学的な最適なバランスは明らかになっていない。本研究では、栄養素のバランスを変化させた場合の1)ヒトでの代謝疾患への影響をメタアナリシスにより解析し、2)実験動物でのメカニズム解明とを組み合わせた融合研究を目的とした。本研究によりリアルワールドの食選択に直結するエビデンスを構築し、ひいては健康長寿社会の実現に寄与することを目標とする。ヒトの介入研究のメタアナリシスではタンパク質の量を増加することによる有意な血糖コントロール改善効果は見られず、タンパク質を低下させる臨床研究は存在しなかった。実験動物での研究の結果、同様にタンパク質の量を増加することによる血糖コントロール改善効果は見られなかったが、タンパク質の量を低下させることにより血糖・脂質コントロールの改善が確認された。メカニズム解明のため、肝臓および糞中胆汁酸組成、腸内細菌叢解析、腸内細菌叢代謝産物解析、網羅的解析、各臓器のmRNA発現解析、血中指標測定を実施した。各臓器のmRNA発現解析の結果、低タンパク質群で褐色脂肪の小型化、活性化が促進しターゲット臓器の一つとして特定された。次に約30種類胆汁酸組成・腸内細菌叢・胆汁酸シグナル応答性の相互作用を検討した結果、低タンパク質群では糞便中および肝臓中の二次胆汁酸量が低下し、腸内細菌叢解析および代謝産物解析の結果、腸内細菌叢の変動および盲腸内容物中に抗老化物質の増加が見られ、炭水化物・タンパク質・脂質バランスの変動により約30種類胆汁酸組成・腸内細菌叢・胆汁酸シグナル応答性における複雑な相互作用に変動が見られ、これらが血糖および脂質コントロール差異のメカニズムの一つと考えられた。
|