2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K12912
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 規恵 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (80782200)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生態学的分析 / ビタミンE |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでヒトや実験動物を対象としたビタミンE摂取試験を行い、ビタミンEの摂取により体内のビタミンE濃度が上昇し、体内の抗酸化力が上昇することで疾病の予防に寄与するという考えを示してきた。次に世界中の多くの人の生活習慣や疾病構造を反映している国際的なオープンデータベースを用い、統計を用いた生態学的な分析によってビタミンEを中心としたいくつかのビタミンが健康寿命の延長に寄与するかどうかを縦断的に検討することにした。 2020年度は統計解析の知識やデータ分析に必要な技術であるR言語の習得を進めることができた。また、研究に必要な基本データを国連食糧農業機関データベース(FAOSTAT)、世界銀行、Global Burden of Disease(GBD)等から入手した。実際にこれらのデータを使いいくつかの栄養素と疾病との関連について解析を行った。そのうち、葉酸・ビタミンAと健康寿命との関連を調べた結果、葉酸およびビタミンA摂取量と健康寿命の延長には関連が見られなかった。一方で葉酸摂取量と認知症の発症には関連がある可能性が示されたが、年々その傾向は弱まっていた。近年は認知症の発症には栄養以外の要因の影響が高くなってきている可能性があることが分かった。この結果は栄養改善学会学術総会で報告した。現在他の栄養素や食品と疾病との関連についても解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で、研究施設の入構制限をうけ通勤を控えたことや、研究協力者等との直接の情報交換の場が失われたことにより研究効率が低下した。また、十分な育児支援が受けられなくなり育児の負担が大きくなり、研究に使える時間が大幅に減少した。さらに、出産のために研究を中断したことも重なり、思い通りに進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ビタミンEの国別摂取量のデータを入手し健康寿命や生活習慣病との関連を明らかにする。同時に疾病予防や健康寿命に関連のありそうな他の栄養素や特定の食品についても検討項目に加え解析を行う。今後はオンラインを活用することで研究効率の向上や研究の議論を深めるように努める。
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Causes of Carryover |
出産により研究を中断したことやCOVID-19の影響をうけ研究に遅れがでたり、学会開催が次年度に延期になったことにより予定より使用額が少なかった。2021年度はデータ解析やオンライン対応に必要な物品の購入、学会参加費・旅費、論文執筆費用に使用する予定である。
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