2023 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolic Characteristics and Physiological Functions of Antioxidant Vitamins in the Human Body
Project/Area Number |
17K12912
|
Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
杉原 規恵 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (80782200)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 抗酸化酵素 / ビタミンA |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はビタミンEの摂取により体内のビタミンE濃度が上昇し、体内の抗酸化力が上昇することで疾病の予防に寄与するという考えのもと研究を進めてきた。研究環境および外部状況の変化により、今年度は対象物質を当初注目していたビタミンEからビタミンE同様脂溶性ビタミンで抗酸化ビタミンの一つであるビタミンAの抗酸化作用についての検討を行った。培養細胞実験でビタミンAの一種であるレチノールは生体内抗酸化物質であるグルタチオン(GSH)量を増加させるということがこれまでの研究で明らかになっていたが、そのメカニズムについては明らかになっていない。本研究ではレチノールがどのようなメカニズムでGSH産生を誘導しているのかについての検討を行った。GSHなどの抗酸化物質の産生が転写因子Nrf2を介して調整されていることが知られているため、レチノールによるGSH産生増加とNrf2との関連に注目した検討を行った。ヒト単球系細胞株THP-1細胞にレチノールを添加し、GSH量を測定したところコントロールに比べてレチノール添加で有意にGSH産生が増加した。また、GSH合成律速酵素であるGCLm,GCLcおよび抗酸化酵素であるHO-1,NQO-1のmRNA発現量が受ける影響をreal-timePCRで評価した。その結果、レチノールがGCLm,GCLc,HO-1,NQO1の発現量を有意に増加させた。これらの抗酸化酵素は転写活性因子Nrf2を介して制御されるため、レチノールによるGSH量の増加にはNrf2が関与している可能性が示された。今後はNrf2の活性化について検討を進めていきたい。
|