2018 Fiscal Year Research-status Report
男性骨粗鬆症への性ホルモンの関与と、食品成分による制御可能性の検討
Project/Area Number |
17K12914
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
中西 温子 帝塚山大学, 現代生活学部, 講師 (30780598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 男性ホルモン / LOH症候群 / 骨吸収 / モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで女性の閉経後骨粗鬆症に関しては、発症メカニズムから食品成分による予防・治療 効果まで多くの研究が行われ、数多くの論文が発表されてきた。一方、男性の更年期障害に相当するLOH(Late-Onset Hypogonadism)症候群でも同様に骨粗鬆症が起こるが、研究報告は著しく少なく、発症メカニズムも未解明である。 閉経後骨粗鬆症モデルは卵巣摘出OVXにより再現可能であり、LOH性骨粗鬆症モデルも精巣摘出ORXにより再現できると考えられている。そこで、本研究ではORX におけるテストステロンおよびプロゲステロンの濃度変化に着目し、LOH性骨粗鬆症の発症機序を明らかにすること、また、食品成分や薬剤によるターゲットを定めることを目標としている。平成30年度は、男性更年期モデルとしてORXラットを作成し、プロゲステロン投与による骨代謝への影響を検討した。本年度の研究成果は以下の通りである。 1)骨代謝に影響を及ぼす性ホルモンの探索および投与方法の検討:文献的探索により、長期飼育でも体重減少が起こらず安全に投与できる濃度及び経路の検討を行った。さらに溶解度や実験実施者の安全性を考慮した結果、sesame oilに溶解して軽度麻酔下での皮下注射により安全かつ確実に投与できることを確認した。 2)ORXおよびプロゲステロン投与による骨吸収活性への影響の検討:両側ORX群では顕著な骨量の減少、骨吸収活性を示すTRAP活性の上昇がおこっていたが、プロゲステロン投与によりこれらの改善がみられた。骨形成活性に有意な変化はみられなかったことから、ORXは骨吸収活性の上昇により骨量減少を引き起こすこと、プロゲステロン投与により改善する可能性が示唆された。より詳細な活性値や骨組織の変化について、現在解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ORXによる骨代謝の変化について明らかにすることができたが、当初今年度の目標としていた詳細なメカニズムの検討については達成できていないため
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Strategy for Future Research Activity |
ORXにおける骨吸収の促進に対してプロゲステロンが抑制作用を示したため、骨吸収のどの段階にプロゲステロンが関与するのか、その詳細な作用を検討していく。
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Causes of Carryover |
所属先の業務の都合上、学会への参加ができなかったため
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