2020 Fiscal Year Annual Research Report
An estimation of dietary approaches to prevent anemia in female college athlete.
Project/Area Number |
17K12924
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
鈴木 友貴 (小久保友貴) 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 准教授 (10610066)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 女性運動選手 / 鉄欠乏 / たんぱく質 / 鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
貧血は運動選手の競技力に影響を及ぼす健康障害として知られているが、未だ十分な貧血予防の食事法は確立されていない。これまで申請者は少ない鉄摂取量の女性運動選手において、貧血指標へたんぱく質摂取量が影響することを示唆した。そこで本研究は、女性陸上長距離選手を対象に血液生化学検査、食事調査を2年間にわたり実施し、貧血指標へのたんぱく質摂取量を中心とした栄養素等摂取量の影響を検討することを目的とした。令和2年度は取得したデータを用いてデータ解析を実施した。なお、鉄不足はヘモグロビン濃度12.0g/dL未満、フェリチン濃度20㎎/mL未満、または、トランスフェリン鉄飽和率16.0%未満とし、これ以外は正常とした。まず、26名を対象に試合3か月前、試合1か月前、試合後オフの約9か月間の貧血指標と栄養素等摂取量の変化と関連を検討した。その結果、鉄不足者の割合は試合3か月前が最も高く(46%)、鉄摂取量は日本人の食事摂取基準の推奨量(10.5㎎/日)未満者の割合が全ての時期で90%以上であった。貧血指標には有意な変化はみられず、血中総蛋白質値は試合3か月前が試合後オフに比べて有意に低値を示した。たんぱく質摂取量と鉄摂取量は有意な変化はみられなかった。試合3か月前の鉄不足者(n=14)と正常者(n=12)の栄養素等摂取量を比較した結果、鉄不足者は正常者に比べて体重当たりのたんぱく質摂取量、たんぱく質エネルギー比率、鉄摂取量が少ない傾向を示した。次に、13名を対象に2年間の(Baseline、1年後、2年後)貧血指標とたんぱく質摂取状況との関連を検討した。その結果、Baselineのたんぱく質摂取量とBaselineおよび1年後のフェリチン濃度との間に有意な正相関がみられた。以上のことから、鉄摂取量が少ない女性陸上長距離選手の貧血指標にはたんぱく質摂取量が影響することが示唆された。
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