2018 Fiscal Year Research-status Report
理科授業におけるICT機器の活用力を育む教員養成・研修プログラムの開発
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17K12932
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐々木 智謙 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10781122)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教員志望学生 / 理科教育 / 教師教育 / ICT機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校教員志望学生,及び教職経験5年未満の小学校教員を対象に,小学校理科(生物分野)の自然科学の素養,及びICT機器の活用等に関する調査を実施し,その諸特徴や改善点等を明らかにした。その一端を,下記①と②と③の当該学会における口頭発表や④の学術論文として公表した。 ①塚原健将・佐々木智謙・佐藤寛之・松森靖夫「ヒトの循環系に関する小学校教員志望学生の認識状態の分析(その1)」日本理科教育学会第68回全国大会(岩手大会),発表論文集に所収,2018.【要旨】小学校教員志望学生133人を対象に,動脈と静脈の概念の内包等に関する認識状態を詳細に調査して,その結果を分析した。 ②佐々木智謙・塚原健将・佐藤寛之・松森靖夫「ヒトの循環系に関する小学校教員志望学生の認識状態の分析(その2)」日本理科教育学会第68回全国大会(岩手大会),発表論文集に所収,2018.【要旨】学校教員志望学生133人を対象にして,ヒトの心臓や心臓に連結する血管と,その内部を流れる血液の性質等に対する認識を調査して,その結果を分析した。 ③佐々木智謙「理科授業におけるICT機器等の活用に関する一考察 -小学校教員志望学生及び小学校教員を対象にした実態調査に基づいてー」日本生物教育学会,第103回全国大会(愛知教育大学),発表論文集に所収,2019.【要旨】小学校教員志望学生及び教職経験10年未満の小学校教員を対象にして,小学校理科におけるICT機器等の活用に関する実態把握を試みた。 ④佐々木智謙・松森靖夫「理科授業におけるICT機器等の活用に関する一考察 -小学校教員志望学生及び小学校教員を対象にした実態調査に基づいてー」山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要『教育実践学研究』第24巻,103-114頁,2019. 【要旨】上記③の当該学会における口頭発表を,学術論文として再構成したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は,前年度に引き続き,小学校教員志望学生,及び教職経験5年未満の小学校教員を対象に,小学校理科(生物分野)の自然科学の素養,観察・実験の知識・技能,及びICT機器の活用に関する認識調査等を実施し,その諸特徴や改善点等について分析を加えた。また,得られた知見をもとに,理科授業におけるICT 機器の活用力を育む教員養成・研修プログラム等の開発等を進めた。結果として,前年同様,小学校教員志望学生や教職経験5年未満の小学校教員の小学校理科(生物分野)で扱う自然科学の素養等が極めて低いことが明らかになった。さらに,本年度の研究成果の一端を,日本理科教育学会全国大会発表論文集や同学会関東支部大会発表論文集へ掲載したり,日本理科教育学会誌「理科教育学研究」等に掲載したりする中で,一定の評価を得た。 まず,日本理科教育学会第68回全国大会(2018年開催,岩手大学)では,心臓の血管(動脈や静脈)の概念規定や,心臓や心臓に連結する血管内を流れる血液の性質(動脈血や静脈血)に対する小学校教員志望学生の低い認識状態や誤概念の存在について口頭発表した。また,日本生物教育学会第103回全国大会(2019年開催,愛知教育大学)では,小学校教員志望学生や小学校教員(教職経験10年未満)の小学校理科におけるICT機器等の活用等に関する実態調査の調査分析等を口頭発表した。 なお,これまでに得られた知見をもとに,上述したプログラム等の開発・試行等を進めてきたものの,時間的制約等から,まだ本プログラムの試行結果等の分析や,修正・改善等を加えるには至っていない。今後は,開発した本プログラムの試行結果等の分析を行うとともに,修正・改善等を加えていく必要がある。上記の理由から,自己点検による評価を,(2)おおむね順調に進展している,と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29・30年度に実施した先行研究の精査や自然科学の素養に関する認識調査研究,及び理科授業におけるICT 機器の活用力を育む教員養成・研修プログラム等の開発等を継続して進めていくとともに,以下に示す平成31年度の研究目的の達成を目指して今後の研究を推進していく予定である。 【平成31年度】平成31年度は,前年度までに開発した理科授業におけるICT機器の活用力を育む教員養成・研修プログラムについて,試行結果を分析し,修正・改善等を加えた上で,プログラムを完成させる。そして,小学校教員志望学生及び教職経験5年未満の小学校教員を対象に,前年度と同様,大学における講義や教員研修会(初任者研修会「自然観察の実際と指導法」,及び小学校経験3年目理科指導力向上研修会「生物実験・観察における器具の操作と実験・観察方法」)等において,完成した本プログラムを試行する。加えて,本プログラムの参加者に対して質問紙調査等を行い,本プログラム試行前後の認知面及び情意面の変容様態を明らかにし,有効性の検証を試みる。その上で,再度修正・改善が必要な場合には,修正・改善を加えた上で,本プログラムの最終完成形とする。なお,得られた知見等について,適宜,日本理科教育学会や日本生物教育学会等で,口頭発表及び学術論文の投稿等を行い,研究者や学校の現職教員等から広く意見を伺い,本プログラムの内容等に随時修正・改良を加えていく。
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Causes of Carryover |
平成30年度に,日本理科教育学会『理科教育学研究』に投稿した論文「小学校理科生物分野における子どもの資質・能力の育成に関する一考察 -腹面から描いた「昆虫の体のつくり」の認識状態に基づいて-」は,査読を経て論文掲載が決定したものの,当該学会誌への掲載,及び掲載料等の支払いは平成31年度となった。掲載料等(別刷,頁超過掲載料等)の合計額は15万円前後となるため,翌年度(平成31年度)に約20万円を繰り越した。
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Research Products
(15 results)