2017 Fiscal Year Research-status Report
超小型人工衛星からの電波受信実験の高校物理での教育利用
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17K12933
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
内山 秀樹 静岡大学, 教育学部, 講師 (50708435)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工衛星電波受信実験の教育利用に向けた教材の整備を進めた。具体的には、人工衛星電波受信実験に適した機材の選定を行い、講義資料とモデルケース的な実施案を作り上げた。これを用いて、科学教室としての実践を5校で行った。これには計76名の小中高生が受講した。この実践により、受講者からのフィードバックを含む教材の改善点、および、教材の効果測定のためのデータ (理科への有用感の向上を調べるための事前・事後のアンケート、および、力学概念調査指標テスト) を得ることができた。これらの実践の様子、および、受講者からのデータの簡易な分析の結果をまとめ、3件の研究会 (第15回 ものづくり・創造性教育に関するシンポジウム、第5・6回小型衛星の科学教育利用を考える会) で報告し、また「天文教育」誌にも記事を掲載した。 人工衛星電波受信実験の定量化のための小型コンピュータと安価なセンサーを用いた方位仰角計の製作も進め、実際の実験の中で試用を行っている。これについては「天文教育」誌に記事を掲載した。 H30年度は、科学教室形式の実践で得たフィードバックを元に、教材を更に改善し (アンテナのキット化など)、正課の授業内での実践を行う予定である。これらの結果を元に、高校の教員が容易に利用できる教材セット・授業指導ガイドを改めて整備し、公開を行う。一方で、科学教室形式で行った実践のデータをより詳細に分析して論文としてまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画で、H29年度の実施目標の一つとした実験機材パッケージの開発はほぼ予定通りに達成できた。更にH30年度以降に予定していた科学教室形式での実践も先取りで開始できている。 一方、H29年度の実施目標であった教員向けの授業計画を含む指導ガイドの作成は、科学教室での授業の実施者が研究代表者自身であったこともあり、まだ十分ではない。H30年度の正課授業内での実施では、研究協力者の現職教員や大学院生に授業を担当してもらうことで、そのフィードバックを受けながらガイドの作成を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べたように、科学教室形式での実践による反省を生かした上で、正課の授業内での実践を特に行う。これらにより、より実際の学校現場で利用可能な教材の開発へと繋げる。また、希望者が主である科学教室とは違った、幅広い興味関心を持つ受講者の本教材への反応、教育効果を明らかにする。現時点で幾つかの学校と研究協力の体制が既にできており、正課の授業内での実践に向けて準備が進んでいる。
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Research Products
(5 results)