2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of teaching material for Research ethics and bioethics
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17K12934
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
向 平和 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (20583800)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 研究倫理 / 生命倫理 / 教材開発 / 課題研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では中高生の課題研究の推進に伴い必要になってきている研究倫理・生命倫理に関する教材開発を目的としている。本年は研究の初年度にあたり,主に以下の4点について研究を行った。 ①研究倫理・生命倫理に関する教材開発に向けた資料収集:国内の研究倫理および生命倫理に関する教材および研究論文等の資料収集を行った。現在,研究者向けに実施されている研究倫理教育の教材および中高生向けの課題研究向けの文献を中心に調査した。生命倫理教育については動物園のフィールドとして開発された教材の収集も行った。また,オーストラリアとの国際交流の実践を視察し,国際交流を活用した生命倫理教育についての知見を得ることができた。 ②動物園を活用した教材開発:特に生命倫理を取り扱う教材として「未来の動物園をつくろう」を開発した。本教材は次期学習指導要領で教科化される道徳での適用を目指した開発した。具体的内容は教育,運営,飼育,地域市民の4つの立場で未来の動物園について対話を通してシュミレーションしていくアクティビティである。 ③動物飼育動物の活用に関する基礎的研究:学校飼育動物であるカイウサギおよびテンジクネズミ(モルモット)の飼育について,飼育環境や行動観察などを行い,動物飼育を通した研究倫理・生命倫理教育に関する教材づくりについての基礎資料の収集を行った。今年度は特にそれぞれの生殖行動や出産などを確認することができた。 ④基盤ネットワークの構築:愛媛県内における科学系社会教育施設の各教育担当者および教育機関,研究機関の教員が相互に連携できる教育コンソーシアムの構築を目指し,年2回,情報交換できる場を設定し,実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,研究初年度ということもあり,研究倫理・生命倫理教育の先行研究に関する情報収集や資料分析をまず行った。国内での先進的な事例を収集し,分析できたことから,次年度以降の学校現場で実施可能な授業プログラムの開発のための基礎資料とすることができた。現状調査については,今年度実施することができなかったため,次年度早期に課題研究実施の高等学校教員を対象に実施予定である。 研究のメインとなるプログラム開発について,上記の先行研究の資料の分析結果を基に,現在,生命倫理教育に係るアクティビティの開発と同時に,どの単元において実施可能か,開発可能かについて検討していくために,再度,日本の授業内容の現状を洗い出す必要があることがわかった。特に海外交流を通して実施する生命倫理教育の実施について多くの知見を得ることができた。 また,基盤ネットワークづくりについては,当初,計画していた施設以外からの協力も得られ,幅広い領域からの担当者を含めた総合的なネットワークを構築できる見込みである。今後,継続的に行うための計画を立案する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに収集できている資料やプログラム以外にも,先進的な取り組みを行っているものについて情報収集や資料分析を行うと同時に,具体的に,国内の学校現場で活用できるプログラムの開発に着手する。さらに開発したプログラムを実践し,多くの教員に実施可能な教材として改良を行う予定である。また,開発した教材については教員に対してHP上での公開及び周知でどれだけ活用可能かを調査し,それらの方法論について検討していく。昨年度実施できなかった研究倫理・環境倫理教育の実態調査については早急に実施する予定である。特に研究倫理教育については課題研究を実施している生徒だけでなく,すべての生徒に実施することで科学の捉え方や科学との付き合い方についても学ぶことができる教材としての可能性を示していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初計画していたよりも物品費を安く抑えることができたため未使用額が発生したが,引き続き,次年度以降も物品購入に使用する
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