2017 Fiscal Year Research-status Report
ソフトウェア開発におけるコミュニケーション力育成のための文書教育および教育評価
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17K12937
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 悠 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (80573120)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コミュニケーション / ソフトウェア開発 / 文書作成 / ソフトウェアドキュメンテーション / プログラミング / ライティング / ディスカッション / 文書品質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソフトウェアの設計書作成をテーマとした教育カリキュラムを整備し,教育カリキュラムにて用いる教材を作成した.作成した教材を用いて,予備実施と全体への教育を実施した.実施した結果を評価する方法として,ディスカッションシートへの記述語句の出現個数による方法を試行した.これらを実施した結果を学会等において発表した. 教育カリキュラムについては,イントロダクションの座学,ソフトウェア設計書の作成,設計書に基づくプログラミング,設計書とプログラムをもとにしたペアディスカッションからなるカリキュラムを構成した.教材については,本カリキュラムで用いる「設計書を作成させ,プログラミングさせる」ための演習課題2題を作成した.また,ディスカッションに用いるディスカッションシートを作成し,ディスカッションのためのトピックを設定した.さらに,評価のために,自然言語処理を用いて,ペアになった学生同士のディスカッションで用いた文言に現れた語句について,体験した立場と,演習成果の対象物における違いの検討を実施した. 結果として,設計書作成のための演習課題における入力情報として与えた図解表現が十分な役割を果たすことが確認できた.これにより,ソフトウェア開発プロセスに沿った演習教材になり,技術者を対象に,違和感を与えることなく実施することが可能になった.教育を実施した結果から,目的の学習目標にかなう発話が得られたことから,カリキュラム構成として,演習の形式を用いた方法が適切であることを確認できた.さらに,評価方法として,立場と対象に分けた分析方法により,出現語句の個数の違いや,語句の種類の違いが確認できた.これにより,文書の読み手となったときに,気づきを多く与えられることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた教育を実施するために必要とするカリキュラムの検討,教材の作成を実施することができた.作成した教材を用いた教育を実施することができた.実施した結果を用いて,教育を評価することができた. 演習課題については,必要とする2題について,図解を用いた提示方法を実現することができた.ディスカッションについては,ディスカッションシートを改良し,立場と対象を踏まえながらディスカッションを進められるように工夫した.これらの教材を用いて,教育を実施することができた.評価方法については,自然言語処理を用いて,ディスカッションシートに記入された記述に含まれる語句の出現傾向を分析する方法を試行することができた.ディスカッションの内容をシステム開発文書品質モデルにマッピングする予定ではあったが,文書表現に関する記述が想定されたほど多くなく,演習に取り組むときの,課題の捉え方や考え方などに関する記述が多かった.これを踏まえた結果,今回実施したディスカッションシートについては,システム開発文書品質モデルにマッピングするのではなく,別の評価指標を検討すべきではないかと考えた.その一方法として,自然言語処理による語句の出現頻度や出現語句の分析を行った.システム開発文書品質モデルに即した気づきを与えるためには,別の方策を検討する必要があることが見えてきた. 実施した結果に関する研究発表を予定通り実施することができた.また,自然言語処理を用いた分析手法を適用する必要がでてきたため,そのための準備を開始し,これに関する取組みの発表を実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では,ソフトウェア設計書をテーマとした教材について改善していく予定であった.しかし,作成した教材では,2回の実施のみで構成されているため,文書作成力や気づきの教材だけでは,ソフトウェア開発における文書の役割を理解することと,文書作成能力が必要であることに気づくことに限定されており,実質的な文書作成の能力を身につけることは含まれていない.そのため,実質的な文書作成力の育成のための方策が必要であると考えた.実質的な文書力育成のためのカリキュラムの検討と教材の作成が必要であると考え,そのための取組みを新たに実施することにした. また,今回作成した教材は,情報系の学生に特化したものであり,プログラミングを含むため,対象者を選ぶ傾向が強く,汎用的に多様な対象者向けに実施することが難しい.そこで,気づきを与える方法として,これまで実施した教材の形式を活かして,プログラミングなしで実施できる教材を構築する.この気づきを与えたあとに,実質的な文書作成力を育成するための演習を実施する.その後,発展的な気づきを与えるために,2017年度に構築した,プログラミングを含む演習を実施するカリキュラムを考えた. このカリキュラムによって,受講者を選ばない気づきの演習から始まり,ある程度,実質的で具体的な文書作成力を踏まえて,応用的な教材を実施する形式にする.最後の応用的な教材の一事例として,情報系の対象者であるときには,プログラミングを含める演習にすることで,受講者に適応したカリキュラムになると考えた.
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Causes of Carryover |
本研究では,教育の検討や実践そのものには費用は多く必要としないため,旅費に多くを使用する計画にしていた.しかし,研究者のスケジュールから,タイトなスケジュールを組まざるを得なくなり,予定していた宿泊費が不要となったケースや,交通費が安価に抑えられたケースが多くなった.そのため,次年度使用額が生じる結果となった. 2018年度には,教育カリキュラムとして,汎用的な気づきのための教材,実質的な文書作成力を身につけるための教材を作成しており,それらについても,広く意見等を聴取するために,研究発表を行っていく計画である.近年,プログラミング的思考に関する研究が活発であり,その分野との関連なども考えて,研究の聴講も積極的に行っていきたいと考えている.
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Research Products
(4 results)