2019 Fiscal Year Research-status Report
ソフトウェア開発におけるコミュニケーション力育成のための文書教育および教育評価
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17K12937
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 悠 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (80573120)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ソフトウェアドキュメンテーション / テクニカルライティング / ソフトウェア開発文書 / アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
ソフトウェア開発文書を作成する能力を身につけるための総合的なカリキュラムを構築し,カリキュラムを構成する「気づきによる導入」「ドリルによる演習」「プログラミングによる応用」,これらからなる教育を実践した. 総合的なカリキュラムとして実践するにあたり,導入からドリル演習につなげるモチベーションが課題であった.導入による気づきから,具体的なスキルの必要性を認識して学習につなげるために,導入部分の最後にグループディスカッションを追加し,求められる文書スキルを整理させた.グループ演習にて,文書に必要なスキルに関する気づきがまとめられていたことから,続く演習と関連させる効果があった. 今年度には,導入から,演習,応用までを通して実施できたことから,各段階で定めていた目的に合致していたかどうかを実践により確認できた.導入における意識づけ,演習におけるスキルアップ,応用におけるさらなる学習への意識づけについて,比較的合致していた. しかし,ドリル演習によるスキルアップについて,他よりも評価が低かった.これについて,実施方法に原因があると考えた.他の段階では,ペアやグループでの活動がメインであるが,ドリル演習は個人演習を順に進めていく形式であることから,相手の反応などが得られず,身についた実感に乏しいと考えた.そこで,ドリル演習部分を改善して,アクティブな形式で実施することを検討したい.これにより,総合的に学生のモチベーションを高められることを確認したい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に立てた方策では,説明文による導入教材,具体的なライティングスキル養成の演習問題,そして,応用としてのプログラミングを介したソフトウェア開発文書の演習,これらを通して実施して,教育を評価し,改善することを見込んでいた. 3年目において,カリキュラムの構築と,そのカリキュラムに含まれる教材の作成が一通り実施でき,実践することができている. 気づきを評価する方法について,構築したモデルを元にして教育を評価することができている.その評価に基づいて,導入教育に改善が必要であると捉え,グループワークの追加により改善を行った. カリキュラムや教材の作成は,一通り構築できている.教育の実践については,3年目まで順調に実施できている.一通り実践した結果を元に改善して,4年目で再度実践できる状態にあることから,順調に進んでいる. ただし,4年目の実践については,遠隔授業の実施や3密の忌避などにより,実施のめどが立っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,今年度の結果に基いて改善が必要であると考えた,スキルアップのための問題演習について,アクティブな形式を用いた手法に改善する.改善したカリキュラムで実践し,総合的な評価を行う. アクティブな形式の教育については,ドリル演習で身につける項目をすべて含んだ文書から,問題点を抽出して,整理し,修正する.これをグループで実施することで,必要なスキルを,自身が持っているスキルと他の学生が持っているスキルと照らし合わせながら,身につけていくことができると考えている. ただし,今年度予定していた実施が困難である状況が生じている.本教育方法は,ペアやグループによるアクティブな形式であることから,教育の実践ができない場合は,その教育の準備を実施し,評価方法などを検討するまでに留めることにする.予定していた発表においても,国際学会での発表の予定で申込み等を進めていたが,1年延期となった.国内でオンライン形式で実施される学会等を活用して,発表を進めたい.
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Causes of Carryover |
本年度の期末に予定していた学会について,現地開催が中止になったことから,余剰がでる結果となった.さらに,教育の実践における謝金において,謝金や雇用の制限により,実施回数を制限せざるを得なかった. 次年度でも,学会の現地開催が中止となり,オンライン開催が決定している件や,実践教育の見通しが立っていない.代替として,評価方法などを充実させるための機材等などの購入を検討している.
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Research Products
(5 results)