2018 Fiscal Year Research-status Report
教員養成と教員育成との有機的接続を促す教育プログラム開発とその体系化
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17K12943
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澤邉 潤 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30613583)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カリキュラムマネジメント / 総合的な学習の時間 / アクションリサーチ / 学校システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,公立小学校における「総合的な学習の時間」を軸にした大学生と児童生徒との交流による学習の可能性を検討した。具体的な検討課題は,以下の2つであった。 1つは,公立小学校での教科およびボランティアとして関わり大学生に身につく力の検討である。国語科及び総合的な学習の時間,教科以外の自主ボランティアの別によって学校側の受入方式が異なることを踏まえて,教員を目指す大学生が大学の教育課程もしくは正課外活動として,恒常的に小学校に関わることを実践した。その結果,正課の内外にかかわらず,学生は児童との関わりのなかで,人間関係力,コミュニケーション能力,ファシリーション能力等の汎用的能力の育成に寄与する取り組みであると自己評価されていたことから,ボランティアとしての関わりが学生自身の学びとして意味づけられることが示唆された。 もう1つは,高大接続に注目した高等学校と大学教育の教育課程の接続に関する実態調査である。高等学校の学校独自のカリキュラム開発の要請の高い「総合的な学習の時間」を対象に,今後求められる校外学習のあり方について検討を行った。新学習指導要領で示される学力の3要素を踏まえて,大学の教育課程に位置付けるかたちで,学校の教員,児童生徒,大学生の学びが展開される仕組みの構築が求められる。 上記2つの取組をさらに推進するために葉,学生を受け入れる学校側のニーズ分析の必要があり,カリキュラムマネジメントの観点から体系的な連携の仕組みの検討が求められる。この検討のプロセスに現場で教師を育成する機能が付加されている可能性も考えられることから,次年度以降は検討プロセスに焦点化した検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連携機関との協働によって実践例の蓄積を行うことができ,必要な要素,検討すべき課題が明確になったことから,おおむね目的が達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの取組を踏まえ,大学生向け実習プログラムのカリキュラム構造を明らかにし,その体系化を目指す。 具体的には,学校現場での教員育成ニーズを踏まえて,学校の課題と大学生の実習活動のマッチングを行う仕組みの開発に向けた検討である。その仕組みの機能として,①学校の教育目標やカリキュラム・マネジメント等の教育計画に基づく教員育成ニーズの把握分析,②学校に関わるボランティア(学生,一般市民,専門家)マッチング,を想定する。 上記の機能を実践で活用できるWEB上のアプリケーションを構想しながら,必要なデータ収集・分析を進める。
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Causes of Carryover |
研究最終年度向けて,学校現場とのWEB上のコミュニケーションツールの開発,実践費用を確保するため,次年度使用額が生じた。
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