2017 Fiscal Year Research-status Report
シームレス学習環境における教育ビッグデータの可視化・分析に関する研究
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17K12947
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
毛利 考佑 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60796001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シームレス学習 / 教育ビッグデータ / デジタル教科書 / ラーニングアナリティクス / ユビキタス学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、多くの研究機関において、MoodleやBlackboardなどのe-Learningシステムが導入され、フォーマルな学習の場(授業内)の学生の学習状況がログとして蓄積され続けている。本研究では、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器とRFIDタグやQRコード等のユビキタス技術を使用して、インフォーマルな学習の場(授業外)の学習支援を行う、SCROLLと呼ばれるユビキタス学習システムの開発を行ってきた。学習者は、SCROLLを使用することにより、日常生活での学習体験を電子的に記録し、他の学習者と共有することができる。この研究領域において、フォーマル・インフォーマル学習でe-bookを使用したシームレスな学習の研究が注目されつつある。収集した教育ビッグデータを利用して、どのような分析ができるのか、どのようにして分析結果を教育の現場で効果的に利用できるか、が解決すべき議題となっている。そこで、本研究は、この議題に取り組むために、Moodle、E-bookシステム(デジタル教材配信システム)、SCROLLの3つの学習ツールを用いて収集した教育ビッグデータを統合し、授業内と授業外の双方の学びを橋渡しする、シームレス学習を支援するための可視化・分析方式を提案し、シームレス学習環境を開発・評価することを目的とする。 初年度である、平成29年度は、以下の研究を行った。 (1)教育ビッグデータと学習分析の研究動向の視察->学習分析難関の国際学会LAKで本研究の提案が論文として採択. (2)初期プロトタイプシステムのテスト・運用->開発したシステムを利用してもらい、分析のための教育ビッグデータを蓄積を行った.収集した教育ビッグデータを題材に、国際学会ICCEやLTLEで発表を行い、研究成果を論文誌にETS(WOS,IF=2.03)やIJDET(WOS, IF=0.24)採録された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に東京農工大学に異動したが,既存のSCROLL及びデジタル教科書システムを導入し,ログデータの収集の基盤を予定よりも早く構築することができた.そのため,本研究で提案するシームレス学習のログを分析するSLAに関する研究が進み,国際学会のICCE,LAK,LTLE等で成果を発表することができた.さらに,本研究のSLAの評価実験の結果が,学習者の学習機会を増加するのに有意な結果が得られ,その内容を論文誌ETSに投稿し,採択された. 以上のことからおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度に開発した初期のプロトタイプシステムの拡張・改善を行いながら、収集したログの分析を行い、本研究で提案するSLAをシステムに再実装する。そして、中期的評価を実施しながら、SLAの効果を様々な角度から検証する。 (1)可視化レイアウトの調査と設計する。また、SLAの特許申請を行う。 (2)SLAのシステム再実装を行う。分析した結果を提示するWebインタフェースの開発する。 (3)システムの評価、改善、考察(大学の留学生センターの協力のもと、システム評価をする。アンケートを実施し、システム改善と考察をまとめる。さらにシステムの評価実験の結果を、国際学会ICCE,EDM,LAKで発表する。また、評価の結果次第でジャーナル論文誌に投稿する。)
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Causes of Carryover |
研究費を効率的に使用できたので次年度使用額が生じたが、研究に必要なPCの購入に充て,繰越することとする
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