2017 Fiscal Year Research-status Report
主体的な学修目標の修得を支援するためのデジタルバッジシステムの開発と評価
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17K12948
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
天野 慧 熊本大学, 社会文化科学研究科教授システム学専攻, 客員助教 (90753046)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デジタルバッジ / インストラクショナルデザイン / 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等教育において、主体的な学修目標の習得を支援するために、修得状況を証拠とともに把握し、不足する知識を必要に応じて補うことができるデジタルバッジシステムの開発・評価を行う。先行研究や海外の事例調査を踏まえて、主体的な学修目標の修得を支援することができる新たな 設計モデルを提案し、デジタルバッジシステムの開発につなげる。そして、開発したデジタルバッジシステムを大学の授業へ導入・評価・改善を行い、主体的な学修目標の修得を支援する方法を明らかにすることをめざしている。 平成29年度は、デジタルバッジシステムの開発へ向けた調査及び設計の段階と位置づけて、次の2点を実施した。 (1)デジタルバッジシステムの機能要件の抽出 デジタルバッジの活用に関する研究動向について調査し、デジタルバッジが単なる目標達成に対するご褒美ではなく、学習目標の達成を証拠(ポートフォリオ)とともに提示し、自分自身の学びを振り返ることができるツールであることを確認した。さらに、プロジェクト型の授業においてDBSを導入する視点を探るために、文献調査及びポートランド州立大学への事例調査を行った。その結果、教師による学習成果に対するフィードバックが、学習者が自分で学ぶ姿勢を育成する上で効果的であるということが明らかになった。 (2)デジタルバッジの設計モデルの提案 (1)の調査結果を踏まえ、修了証明としてのバッジアイコンと学習成果物をリンク付け、教師によるフィードバックを付与することを可能にするデジタルバッジシの設計モデルを提案した。この成果は、The Journal of Information and Systems in Educationに採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、文献及び事例調査を踏まえて、デジタルバッジシステムの設計モデルの提案し、その成果を論文として公表することができた。そのため、研究はおおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に提案したデジタルバッジシステムの設計モデルをもとに、プロトタイプの開発を進める。また、大学の授業でのデジタルバッジの活用を想定した場合に、既存のLMS(学習管理システム)やeポートフォリオシステム、デジタルバッジ関連ツール等と連携した、授業で使いやすいシステムとする必要がある。引き続き、事例調査を行い、利便性の高いシステム開発へつなげていく。
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Causes of Carryover |
予定していた海外事例調査が実施できなかったため、旅費の執行を見送ることとなった。当年度前半に予定されている国際会議に参加する計画を立てているため、その旅費・参加費の一部としても使用する。
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