2018 Fiscal Year Research-status Report
PBLによる学習効果の自動予測法の開発および学習・指導助言生成システムの構築
Project/Area Number |
17K12953
|
Research Institution | Suwa University of Science |
Principal Investigator |
尾崎 剛 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 講師 (80712158)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | PBL / 授業改善 / 教育工学 / アクティブラーニング / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.プロジェクト基盤学習(PBL)に対し学習成果とその要因の構造を確認し,学習データの回帰分析を行うことで要因と成果の関係性を可視化し,この関係性から授業改善を行うことで学習成果を向上させることができることを示した.この成果を日本教育工学学会論文誌に投稿し,2018年12月発刊の同論文誌に採録された.
2.PBLにおける学習成果を機械学習により予測するために,PBL授業における活動履歴を1週間に一度,LMS(Moodle)から自動的に収集するシステムを構築した.さらにLMSへのアクセス頻度を学生の活動頻度と仮定し,その活動内容を分類するためのシステムを構築した.また活動の様子を割り出すために,月に1度提出させる活動報告書の意味情報を特徴量として抽出した.現在,機械学習による分析精度が統計学的手法による分析を上回るように用いる機械学習アルゴリズムを検討中である.
3.これまでの研究で対象としたPBLは単一学部の学生のみで構成されたメンバーでプロジェクトを実施するPBLであった.今後は,多大学の学生が協同してPBL(協同型PBL)を進めた際に,また遠隔地からの指示によるPBL(遠隔PBL)実施の際に,これまでの研究成果を適用することで狙った効果をあげることができるかどうかを検証する.このため,本研究に協力していただける大学と,協同型PBL・遠隔PBLの実施方法,テーマ,期間などについて打合せを行い,本実験で使用する支援システムをMoodleをベースに作成した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように,これまでに得られた研究成果を日本教育工学会論文誌に投稿し,採録された.また,学習成果予測のためのデータ収集・前処理を行うシステムを構築することができた.さらに協同型PBL・遠隔PBLにおいてこれまでの研究成果を適用するための環境を整えることができた. 以上より,研究はおおむね順調に進展していると自己評価した.
|
Strategy for Future Research Activity |
PBLの学習成果を予測するために用いる機械学習アルゴリズムについて,ランダムフォレスト法,ナイーブベイズ法,サポートベクターマシンなどを検討した後,多層ニューラルネットワークを用いた分析を試みる.これらの結果について重回帰分析より分析精度が向上できるか検討する. 協同型PBL・遠隔PBLでは11月までにPBLが終了する予定ため,この間に必要なデータを収集する.また,PBL終了後回帰分析によりデータ分析を行い,これまでの研究成果を適用することで狙った効果をあげることができるかどうかを検証する.
|
Causes of Carryover |
次年度の研究において,当初予定していたより研究に協力する学生数が増え,物品費や旅費が予定より増額する見通しとなり,次年度使用額が生じた. 翌年度は当初請求した助成金と次年度使用額を合わせて,本研究に必要なノートPCやマイク,スピーカーなどを購入する物品費(25万円),成果発表のための学会参加・研究協力学生の旅費(45万円),その他学会参加費や通信費など(14万)に使用する.
|
Research Products
(1 results)