2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on development of medicine in Northern Europe in early modern times
Project/Area Number |
17K12958
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
安西 なつめ 日本大学短期大学部, その他部局等, 助教 (10768576)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医学 / 医学史 / 解剖学 / 北欧 / デンマーク / 雑誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コペンハーゲンを中心に、16-17世紀の北ヨーロッパにおける医学の発展を明らかにすることであった。本年度の研究では、前年度までの成果を踏まえ、北ヨーロッパにおける最初の学術雑誌『コペンハーゲンの医学・哲学紀要』(1673-1680)の分析を補完するとともに、紀要刊行に至る当地の医学の展開を整理することができた。 前年度までの分析から、当紀要に収録された論考は、医学一般、動物の解剖、植物の報告、実験・化学、自然(地理学、気象)、その他に区分できることが分かった。本年度はこれらを更に精査し、収録論考を主題別に分類して割合を数値化した。分析の結果、医学一般に関する論考が全595題中396題の66%と半数以上を占めていたことが分かった。この結果から、当紀要が医学関係の論考を豊富に採録していたことが実証的に示され、同時期に刊行された他の大型雑誌と比して、独自の収録基準を有していたことが明らかになった。また本年度は、デンマークの医学の歴史を概観した上で、紀要の刊行が、同国における解剖施設の設置とともに、北ヨーロッパの医学の発展を牽引した点を指摘した。 本年は上記の分析に加え、コペンハーゲンで開催された北欧医学史学会に参加して『コペンハーゲンの医学・哲学紀要』を編集したトマス・バルトリンの研究者と意見を交換した。また、昨年に引き続きデンマーク王立図書館にて資料等を確認した。これらの研究活動の成果は、日本医史学会総会・学術大会および北欧史研究会、市民公開シンポジウムで発表し、発表内容を論文等にまとめた。
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Remarks |
日本大学国際関係学部生活科学研究所シンポジウム:「スポーツと人間」研究発表「平行六面体:力学的な筋運動探究の出発点」2019.7 学会発表抄録:『コペンハーゲンの医学・哲学紀要』における収録論考の主題と傾向 日本医史学雑誌65(2),p. 202, 2019
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