2020 Fiscal Year Annual Research Report
Application of Terahertz wave imaging technique and micro-focus X-ray CT for surveying of surface layer structure of the painting cultural properties
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17K12964
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
金 旻貞 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (60755784)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | テラヘルツ波 / 非破壊非接触検査法 / 彩色文化財 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019-nCoVで新たな研究調査が困難であった本年度は、これまでの研究成果から主に以下の項目についての検討を行った。 1.彩色文化財の構造調査:文化財に用いられる彩色の材料と技法は多岐にわたることから、これらが可視化して判別できる方法について検証した。本研究では0.1THz-1.7Hz領域帯のテラヘルツ波を用いた試作製(奈良文化財研究所・パイオニア株式会社)による彩色文化財に対する反射特性と、材質や内部診断のイメージングの可能性について評価した。 2.テラヘルツ波データの画像処理:スキャニングによる2次元イメージングの画像の可視化方法について改良した。既存の試作製では0から255までの輝度値のグレースケール画像となる。また、白から黒への中間値になるとグレーになるため、細かな色の差の認識が困難となり、構造のご認識や見落としなどが発生する。そこで、グレースケールで得られるテラヘルツ波画像の全画素数の輝度を基に赤(R)、緑(G)、青(B)の色相成分に分解し、度数分布処理するシステム(PicMan,WaferMasters,Inc.)を用いて解析を行った。 3.内部構造調査法とメンテナンス:彩色構造の非破壊診断調査法の研究成果を文化財のメンテナンス方法に活用できるか検討した。特に、本調査方法の適用場所は作品の展示、活用が多い美術館・博物館の資料を想定し、調査方法の有効性と問題点を実例をあげて示した。
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