2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a hammering test method superior in both convenience and objectivity
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17K12993
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
岩本 直也 香川高等専門学校, 電子システム工学科, 講師 (10631046)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 打音検査 / 結果の知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,利便性と客観性の両方に優れた打音検査用ハンマーを開発し,その効果を検証することであり,特に以下の二つに重点を置いて研究を行っている。 (1)ハンマーを一定速度で打ち付けるために人間の学習能力が利用可能か検証する。 (2)ハンマーの振動状態から検査対象物の異常を検出する。 はじめに,(1)の課題に取り組むため,ハンマーの速度計測技術の開発を行った。加速度センサをハンマーに取り付け,測定される加速度を時間積分することで速度を求めようとしたところ,測定データには,重力加速度成分(直流~低周波成分)が含まれるため,周波数フィルタを用いてデータ処理を行う必要があることが分かった。また,フィルタ処理後に求められるハンマーの速度が,実際の速度よりも小さくなることも明らかになったが,両者は比例関係にあるため,これを用いてハンマーの速度計測が可能になった。打音検査において一定速度でハンマーを打ち付けるために人間の学習能力が利用可能かを検証するために,現在,この速度計測機能付きのハンマーを用いた実験を進めている。これまでに約50名の被験者の協力を得て実験を行ったところ,ある程度の効果が認められる結果が得られている。今後は,さらに被験者数を増やし,定量的な効果を統計的に明らかにする予定である。また,(2)の課題に取り組むため,圧電素子をハンマーに取り付け,コンクリートブロックやレンガ等の物体にハンマーを打ち付けたときの振動波形を測定した。測定波形を解析したところ,ハンマーを打ち付ける対象物によって結果が異なることが分かった。今後はより多くの検査対象物について振動波形を取得するとともに,より適切な波形解析方法について検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成29年度の研究実施計画に沿って研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)の課題については,速度計測機能付きのハンマーを用いることの効果をより定量的に示すため,被験者の協力を得ながら実験を続ける。また,加速度センサ以外のセンサを用いた速度計測手法について検討を行う。 (2)の課題については,より多くの検査対象物に対する振動波形を取得し,より適切な波形解析手法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
初年度の研究が順調に進んだため,当初の計画よりも少ない物品費となった。また,次年度からはデータ解析にAIの利用を検討しており,専用PCを導入するための費用に充てる予定である。
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