2017 Fiscal Year Research-status Report
自然災害の経済被害に関する時間・空間連続性を考慮したシミュレーション手法の研究
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17K13004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山崎 雅人 名古屋大学, 減災連携研究センター, 寄附研究部門准教授 (60628981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害の経済被害 / 応用一般均衡モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
災害の経済被害を評価する上で地域分類の詳細化は重要課題である.その理由は,災害のハザードと暴露対象(エキスポ―ジャ)は地域特性が非常に強いからである.一方で,日本ではサーベイ法に基づく地域間産業連関表は今後新しく公表される見通しはない.平成29年度の研究では,産業連関を通じた地域や産業の空間的連続性を明示的に考慮するため,2つの取り組みを実施した.1つは市区町村単位の地域間産業連関表の独自の推定である.もう1つは応用一般均衡モデルに交通の要素を明示的に組み込むことである.すなわちネットワークデータや交通シミュレーションを経済モデルと結合することを検討した.これらは本年度は基礎的検討にとどまっているが,平成30年度以降も研究を継続する.これにより空間的連続性を明示的に考慮することが可能となる.時間的連続性については今後,経済学における不均衡モデル等を検討し,災害時の経済状態を適切に表現できるモデルの研究を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,市区町村単位の地域間産業連関表のデータ収集や,交通シミュレーションモデルと応用一般均衡モデルの接合を並行的に進めたが,既存研究のサーベイ等の基礎的検討は十分に行う事ができた.
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Strategy for Future Research Activity |
既存研究のサーベイから,平成30年度からは実際のモデル開発に取り掛かる.そのためにも市区町村レベルの地域間産業連関表の開発と,交通シミュレーションモデルと応用一般均衡モデルの結合に具体的に着手する.また時間的連続性について,経済学の不均衡モデル等の検討や,災害時における一般均衡の可能性の検討等を進めなければならない.
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Causes of Carryover |
データ整備等の役務ついて,整備方針の更なる検討が必要であり,平成29年度の執行を見送った.平成30年度には執行予定である.
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