2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new medical imaging system that enables visualization and quantification of molecular pathological conditions
Project/Area Number |
17K13018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長尾 吉泰 九州大学, 大学病院, 助教 (70608968)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 画像診断 / 機能診断 / 分光分析技術 / 磁気共鳴代謝イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
「目では判断できない異常を診る」をキーワードに,内視鏡診断を病変部位の形状や色調を見るための形態診断からより高度な機能診断へとその付加価値を高めることを目的に本研究を施行した。具体的には物質による光の吸収スペクトルを解析する分光分析技術(ハイパースペクトルイメージング)と混合物中に含まれる微量分子の定量に用いられる質量分析技術である。前者によって、疾患に特異的な生体成分の種類や量を鏡視下において定性的・定量的な可視化を、後者によっては、疾患に起因する代謝物の多元的な変動(メタボリックプロファイリング)の可視化を可能とすることを目標とする。これらの技術を内視鏡に実装することにより、高精細な通常画像に加えて、その奥に潜む組織構造の変化や特定分子の広がりに関する情報もリアルタイムに取得・重畳表示でき、分子病態を反映する機能診断を含めた画像診断が可能となる。 本研究実績としては、ハイパースペクトルイメージングシステムを搭載したポータブルカメラを臨床応用可能なレベルまで作り上げた。同カメラを食道癌患者に対する食道切除再建術に臨床応用させた。吻合部を術中撮影することにより、組織の酸素飽和度を推定し、その結果が吻合部の病態(血流不良やうっ血など)、しいては術後縫合不全の予測因子となる可能性を示した。 また我々の研究グループは画像検査による機能診断として、生体内での酸化還元反応を画像化し視覚的に評価することができる非侵襲的検査法であるMRI装置を開発した。NASH肝硬変患者の肝臓組織を同装置にて評価できる環境を整え、本装置を使用することにより組織中のミトコンドリア機能を推測できるのではないかという仮説を立て、さらなる研究を継続している。
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