2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the Earphone-type Smart Monitor for Healthcare
Project/Area Number |
17K13024
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
李 知炯 福岡工業大学, 情報工学部, 助教 (10735583)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 深部体温 / 外耳道温 / 超薄膜サーミスタ / イヤホン / 双熱流法 |
Outline of Annual Research Achievements |
超薄膜型サーミスタセンサ(1 mm×1 mm,厚さ0.5 mm)を埋め込んだ試作イヤホンを用いて,外耳道の3つの部位で計測した温度(外耳道内の皮膚表面温と空間温及び耳周辺温)から深部体温を算出する理論式を立てて校正法を確立し,システムの小型化改良と共に精度検証の実験を行った. 深部体温を算出する理論式について: 理論式は,熱伝導という熱の物理的な原理を基にヒーターなどで加温しない校正方法である双熱流法を応用して立てた.特に,従来の双熱流法に考慮されていなかった異なる計測部位における生体内の熱伝導率の特性を反映させ,より高精度の深部体温が算出できるようにした.これらは,外耳道温が①鼓膜の内側より外側が周辺温に影響を受けやすく,②計測位置によっても差がある昨年度の研究結果を基にした本年度の実績である. 深部体温の精度検証の実験について: 精度検証のため,「in vitro」と「in vivo」の実験を並行させた.「in vitro」実験は,小さな円筒形黒体炉を用いて外耳道内環境の構築し,環境温を18~38℃に調節しながら試作したイヤホンを用いて3つの温度(円筒の表面温と空間温及び周辺温)の計測を行った.計測した温度を理論式に代入させて目標温(黒体温)を算出した結果,計測した黒体温との差が±0.035℃と小さかった.これらの結果は,試作イヤホンを用いて高精度の温度検出が可能であることが示されている.「in vivo」実験は,1名の被験者が試作したイヤホンを装着し,常温で外耳道の3つの部位の温度を50回計測した.計測した温度から深部体温を算出した結果,基準である耳式体温計を用いて計測した鼓膜温との差が,±0.194℃と小さかった.これらの結果から,試作したイヤホンを用いて計測した温度を新たな校正式に代入することで高精度の深部体温の算出が可能であると考えられる.
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