2019 Fiscal Year Research-status Report
SGLT2阻害薬による心外膜下脂肪厚への影響と将来の心血管イベント発症との関連
Project/Area Number |
17K13037
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平田 有紀奈 徳島大学, 病院, 臨床検査技師 (90747817)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心外膜脂肪 / 超音波検査 / SGLT2阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
【内容】2型糖尿病患者におけるSodium glucose cotransporter 2 (SGLT2)導入前・後の,心外膜脂肪(EAT)を含む各脂肪蓄積量,臨床的背景を収集中である.4月17日現在,SGLT2阻害薬投与前のデータ登録および投与半年後の収集が全て終了.その後のフォロー調査を実施している.また,心機能や体組成との関連についても検討するため,同意が得られた全ての症例に対し心エコー図検査,Inbody測定,Dual scan測定を実施している. 【意義】SGLT2阻害薬は体重や脂肪を減少させる効果があることが証明されているが,近年では,心不全や心血管イベントを抑制することでも注目されている.未だその機序については明らかでないが,その一因としてEATを含む脂肪蓄積量の軽減・慢性炎症の軽減が心機能改善と関連していることも推察されている.今回申請者が評価項目としているEATの測定は,超音波検査を用いて簡便・かつ検査精度高く評価するために,我々の施設が2015年に開発した測定法であり,これによって薬剤によるEAT蓄積量の変化を正確に捉えることが可能である.これを指標にした変化量と,臨床上での効果や心機能との関連が証明されれば,SGLT2阻害薬-脂肪-心機能連関についての情報を提供できると考える. 【重要性】臨床的な重要性として,治療効果の判定に繋がる情報の提供ができると考える.また,他の脂肪蓄積量,体組成,心機能のデータの変化と比較することで,SGLT2阻害薬による心血管イベント抑制の機序を考察するための情報提供につながることが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
登録者は平成29-30年度中に収集し,計32症例となった.当初の目標到達例(50例)には達しなかったが,全ての患者で投与前および半年後のデータを取得できた.患者リストも完成し,解析を進めている. 当初の検討目的の1つに挙げていた「SGLT2阻害薬投与前・投与後半年後のEATの変化と,将来の心血管イベント発症との関連についての検討」は,より多くの登録者数と観察期間が必要であり,本研究で十分な知見を得ることは困難と判断した.そのため,SGLT2阻害薬投与前・投与半年後のEATの変化と関連する心エコー図指標(拡張機能指標)についての解析に向けて,データ収集・追加解析する方針である.
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Strategy for Future Research Activity |
不足データの収集を積極的に行う. 心外膜脂肪の変化と関連する心エコー図データ収集完了後,結果をまとめ学会発表,論文作成に移行する.本年度中(2021年3月まで)の完成を目指す. 研究計画の変更はなく,遂行する上での課題も特になし.
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Research Products
(5 results)