2018 Fiscal Year Research-status Report
主観的評価による臨床評価手法の最適化に基づく革新的医療機器開発促進のための研究
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17K13040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
保坂 実樹 東北大学, 大学病院, 特任助教 (10793911)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レギュラトリーサイエンス / 医療機器 / 主観的評価指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療機器における評価手法で医薬品と異なるものの代表的な手法が主観的評価であるが、客観的評価と異なり、その指標の妥当性を科学的に担保できるか否かが重要となる。本研究は日米で公表されている医療機器審査報告書を分析し、特に主観的項目により臨床評価が行われた危機における開発段階での留意点を検討することで、今後の革新的医療機器開発力の獲得を目的として実施している。 2018年度は、2017年度に実施した医療機器審査報告書の抽出で得られた品目について、それぞれの特徴を集計し、情報を集計した。調査対象期間中に公開された審査報告書は72品目であり、患者による主観的指標が主要な評価項目に設定されていたのは12品目であった。また、これらの12品目において、主要評価項目が評価している事項を分類したところ、疼痛、機能を評価した機器が約3割ずつとなり、そのほかには、生活への影響、満足度、QOLに分類された。 治験における評価項目設定の際には、機器の特徴を理解し、評価すべき事項について、確立した客観的指標があるか、確立した主観的指標があるか、患者以外による主観的評価が可能でないか等を検討し、それでも評価が難しい場合には、患者による主観的評価を指標とすることを検討する必要があると考えられる。 また、本邦の医療機器審査報告書の情報抽出と並行して、米国にてPMA申請された医療機器についての情報を抽出した。具体的には、まず2017年4月から1年度分を収集し、機器の概要、ピボタル試験の結果(試験デザイン、主要/副次評価項目、対照群の設定、試験の成功/不成功等)について情報を抽出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の進捗としては、PMDAにおいて公開されている情報を収集し抽出、内容をまとめることにとどまっている状況であり、当初予定していた本邦と欧米での規制基準の相違点の検討までは行えなかったが、米国での情報収集は概ね完了し、2019年度に実施可能と考えられ、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は複合的評価項目(客観的評価項目+主観的評価項目で構成された評価項目)についての検討を行う予定であったが、まずは前年度までに抽出しまとめた米国の承認状況についてまとめ、本邦の規制状況との比較検討を行う。その中で、主観的評価項目を使用すべき医療機器、そうでない医療機器について考察し、今後本邦で医療機器開発を行う上でのエビデンス構築を目指す。
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Research Products
(1 results)