2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of the ultrasonic mechanism moving inside the human body for spinal fusion
Project/Area Number |
17K13043
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北野 雄大 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30754600)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超音波 / 脊椎 / 加振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は脊椎湾曲の矯正を目的とした脊椎固定術用の医療機器を開発することにある。我々は超音波を利用して人体内部で伸縮する固定具の開発を進めている。初年度は動作原理の確立と模型における動作実験を実施した。当初の提案手法における動作原理が確立され、研究内容をまとめて特許の認可を受けた。また、次年度内に同内容に関する発表を予定している。模型における実験は人体の特性を模型で再現することが非常に困難であったことから異なる手法の模索が必要となった。本年度は伸縮装置の改良と生体内での実験を想定していたが、初年度の模型実験の遅れの影響を受け、伸縮装置の改良のみを行った。 伸縮装置の改良は主に伸縮機構の生体内での運用への対応を行った。主に行ったのは加振器の改良である。本研究で利用している超音波加振器は工業用のものであり、人体への加振には適していない。また、初年度の解析結果から超音波の加振位置を厳密に指定する必要があったことから、医療用のトロッカーを利用した低侵襲加振器の開発を行った。人体背面の超音波計測器や超音波メスなどが人体に与える影響については過去に議論が行われており、それらの資料を基に加振器の再設計を行った。低侵襲加振器の開発は一定の成果を得ており、次年度中の発表を予定している。 次年度は伸縮機構の人体への対応と高性能化を想定している。本年度に行われた医師へのヒアリングの結果に合わせて改良を行う。主な改良点は人体への癒着を防止することとより良い性質を持つ素材への変更である。初年度の実験結果を参考に改良を進める。また、次年度は開発した加振器の人体への影響を実験的に評価する為、食肉等への超音波加振を実施する。さらに次年度は最終年度であることから研究の総括を行い、同時に発表作業を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は模型や生体内部での実験を想定していた。人体の内部構造を模した模型や食肉内部に装置を埋没し、食肉を介して超音波を加振し、装置の動作を評価する予定であった。しかし、人体の内部構造の再現など実験環境の想定に不備があり、実験が行えていない。その為、本年度では新たな対応として低侵襲加振器の設計を行った。低侵襲加振器は医療用のトロッカーを利用することで人体を介さずに体内の伸縮機構に直接加振を行う。同手法は当初想定していた人体を介した加振法に比べ、侵襲が生じてしまう点で劣っている。しかし、既存の低侵襲なロッド交換手法に比べ、手順の簡略化が期待できるため、十分に有効な手法であると判断した。トロッカーを利用した場合の人体への影響は超音波メスに近くなると考え、既存の超音波メスの構造を参考に加振器の設計を行った。現在、加振器の開発手順の検討を行い、開発手順に沿った製作が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況にて記載した通り、現在は低侵襲な手法での伸縮機構の実現を進めている。しかし、当初予定していた人体を介した伸縮機構は低侵襲な手法に比べて明らかに有効な点を持つため、双方の研究を同時に進める。まず、低侵襲な手法での生体内での動作実験を行い、生体に対する超音波の影響を調べる。その後、実際の運用と人体への影響を考慮した低侵襲加振器の改良を行うと同時に生体に超音波を加振するのに適したホーンの開発を行う。また、次年度は研究の最終年度であるため、これまでの研究成果の公開と発表も同時に行い、本研究のまとめも行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に伴い、国際会議への発表数が増加し、予算を残す必要が出来たため。現在発表を予定しているのは5th Conference on Mechanisms, Transmissions and Applicationsと12th IEEE International Conference on Human System Interaction IEEE HSI 2019である。その後、進捗に合わせて第25回ロボティクスシンポジアでの発表を行う
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Research Products
(2 results)