2018 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Novel Physical Therapy for Enhancing Peripheral Nerve Regeneration by Low-Intensity Pulsed Ultrasound
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17K13052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 明良 京都大学, 医学研究科, 助教 (50762134)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 末梢神経 / 低出力超音波パルス / 物理療法 / 理学療法 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、成熟ラット坐骨神経再生におけるLIPUSの至適強度検証を行い、140mW/cm2強度群で最も再生促進効果が認められ、疑似治療群に対して軸索数および髄鞘径が約30%増大することを明らかにした。最終年度として、LIPUS治療効果の背景にある作用メカニズムを遺伝子発現解析にて検討した。12週齢のLewisラットを用い、坐骨神経損傷モデルを作成した。超音波照射を行うUS群と疑似照射を行うSham群を作成し、超音波刺激介入は損傷後3日目より開始した。損傷後7日目に坐骨神経サンプルを採取し、mRNAの発現解析をリアルタイムPCR法にて定量解析した。また、当初内部標準化遺伝子としてGAPDHを予定していたが、坐骨神経損傷による変動が大きかったため、TaqMan Array Rat Endogenous Control plateを用いて本実験条件において安定的な内部標準化遺伝子候補を網羅的に探索した。その結果、PSMC4が最も安定した遺伝子であることが判明した。mRNA発現解析の結果、軸索伸長阻害因子であるSEMA3AとGSK3beta、及び髄鞘化阻害因子のNT3の発現がUS群において有意に低いことが明らかとなった。坐骨神経損傷モデルラットにおいて、140 mW/cm2強度の超音波刺激で最も末梢神経再生が促進され、その神経再生促進作用として軸索伸長を阻害するSEMA3A、GSK3betaの発現抑制及び髄鞘化を阻害するNT3の発現抑制が一部関与していることが示唆された。本研究結果は、末梢神経再生を促進する超音波治療の作用メカニズムを一部解明していることから、超音波を用いた末梢神経再生治療における基盤的な知見を加えるものとして意義深いと考えられる。
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