2017 Fiscal Year Research-status Report
患者の病態運動を再現するアームロボットを用いたリハビリ臨床技能教育プログラム開発
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17K13059
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
小池 祐士 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10610694)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 運動療法 / アームロボット / 患者ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は開発した患者の上肢運動病態を再現できるアームロボットを用い,運動療法熟練者がロボットに与えた上肢運動療法を定量化し,標準的な評価値を算出する.また,算出した評価値は臨床技能を検定するための評価アルゴリズムとしてアームロボットに実装し,学生を対象に運動療法の技術講習を実験的に行い,その教育効果を検証することを目的としている. 試作したアームロボットを動かした際に,モーター特有のコギング現象(コリコリと動く)が認められており,人体の関節を動かした感触とは大きく異なっていた.具体的には,改良前の設計では,モーター軸1回転あたり50回(アームを約7.2度曲げるたびに)コギング現象が生じていた.そこで,関節部のモーター軸上のプーリとの間に減速機(減速比:1/10)を組み込むことで,アームを約0.72度曲げるたびに脈動が可能となり,コギング現象を目立たなくする改良を加えた.その結果,人体の関節を動かした感触に近づけることが可能となった. アームロボットの実証実験として,熟練者と初学者の運動療法データを取得し比較を行った.その結果,熟練者に比べ初学者の方が運動療法の再現性が不正確であることが明らかとなった. 現在は,アームロボットに施術者が与えた運動を点数化するためのアルゴリズム作成の調査として,アームロボットに対して,熟練した施術者が行う用手運動療法データを取得中である.また,取得したデータから熟練者の運動療法を定量化するためのアルゴリズムを検討中である.さらに,このアームロボットの開発論文を作成し,投稿中である. 今後は,取得したデータを熟練者の運動として定量化し,標準的な上肢運動療法の評価値と算出アルゴリズムを作成する.その後,学生を対象にしてアームロボットを用いた運動療法の技術講習を実施し,学生の技能を解析する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画では,アームロボットに対して熟練した施術者が行う用手運動療法の定量化および初学者と熟練者との運動療法の違いの調査を予定していた.現在までのところ,初学者と熟練者との運動療法の違いを明らかにすることができた.また,熟練者の運動療法の定量化に向けて,運動療法データを取得中である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,アームロボットに運動療法の技能判定プログラムを搭載し,初学者の教育効果を検証する予定である.
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Causes of Carryover |
コギング現象の改善策として,ステッピングモータからサーボモータへの変更を検討し,サーボモータの購入を予定していたが,モータは変更せず,サーボモータより安価な減速機で対応することができたため,余剰金が生じた. 平成29年度で余剰となった資金を使用して,平成30年の効果検証に必要な物品の購入等を検討したい.
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