2018 Fiscal Year Annual Research Report
Facilitation of AMPA receptors trafficking in Pre-injury induces functional recovery after brain injury
Project/Area Number |
17K13060
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 和希 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (10737323)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 機能回復 / リハビリテーション / AMPA受容体 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳損傷前に豊かな環境下でマウスを飼育することで、損傷後のリハビリテーションによる機能回復を促進するのではないかと仮説をたて、研究を行った。昨年度、豊かな環境設備(巨大なケージ、回し車、遊具)を適切に設置し、前肢を使用して餌を把握する運動課題 (リーチングタスク)の運動学習効率が良くなることが明らかになった。今年度は、損傷後の機能回復能を検討するために、シリンダーテスト、ポールテスト、リーチングタスクを損傷後、3日、10日、17日、24日、31日に実施した。シリンダーテスト、ポールテストではControl群とEnrich群で差は認められなかった。リーチングタスクでは、損傷後3日ではほぼ同等の成功率の低下を呈したが、損傷後10日では有意差はないが成功率の増加傾向が認められた。損傷後17日以降は同等の成功率を示した。 また、本研究費で購入した皮質微小刺激法の構築を行うことができた。しかし、Control群とEnrich群で電気生理学的な違いは検出できなかった。豊かな環境下で飼育後に急性脳スライスを作製し、運動野第2/3層の錐体細胞からホールセルパッチクランプ法を用いてAMPA受容体を介したシナプス後電流(Excitatory postsynaptic current: EPSC)を測定したが、Control群とEnrich群で変化が認められなかった。 以上のことから、豊かな環境下で飼育することで、学習課題の効率的な習熟、損傷後のリハビリテーションによる早期回復の可能性が示唆された。今後さらにこれらの現象の分子細胞メカニズムを明らかにしていく必要がある。
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