2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K13065
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
中野 渉 常葉大学, 健康科学部, 講師 (50610995)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 身体活動 / 活動強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は回復期リハビリテーション施設退院後の脳卒中患者の1年間の追跡調査を通して,脳卒中患者における身体活動量を制限する要因について明かにすることを目的としている。本年度は回復期リハビリテーション施設退院後の脳卒中患者の研究への取り込み,回復期リハビリテーション病棟退院後のベースライン測定,6か月後,12か月後の追跡調査を実施した。
本年度の成果は以下の通りである。 ・脳卒中後遺症者19名と健常対象者19名の身体活動データの比較を行った。健常対照者と比較して,脳卒中後遺症者の身体活動量は少なかった。1回の歩行活動あたりの活動量 (歩数)は両群で差がなかったが,1日あたりの歩行回数は脳卒中後遺症者で有意に少なかった。このことから,脳卒中後遺症者における1日あたりの歩行回数の減少が身体活動量の減少に影響することが明らかになった。 ・脳卒中後の身体活動量と身体活動パターンにおける性差の影響を解析した。脳卒中後の身体活動量は男女で差がないが,身体活動パターンは男女差を認めた。男性は長距離歩行による歩行活動が多く,女性は短距離歩行による歩行活動が多かった。また,男性と比較して女性では中強度以上の歩行活動が少なかった。これらの結果は,たとえ1日あたりの身体活動量 (歩数)が同様であったとしても,男性と女性では実施している活動の内容が異なることを意味している。そのため,身体活動を促すためには,身体活動パターンの解析も重要であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
回復期リハビリテーション施設退院後の脳卒中患者の研究への取り込みを終了し,目標としていた対象者数の確保ができた。退院から6か月後,12か月後の追跡調査を実施しているが,ドロップアウトの数も少ないため,おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,回復期リハビリテーション病棟退院後のベースライン測定,6か月後,12か月後の追跡調査を実施する。本年度で追跡調査は終了する予定である。今年度の研究成果を論文化する。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに予算を使用している。次年度は論文や学会での成果発表を予定しているため,旅費,英文校正費として使用する予定である。
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