2017 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーションは運動野におけるミクロ機能シフトを効率化するか
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17K13067
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 崇弘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (70759886)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄損傷、随意運動に関わる運動野と脊髄を結ぶ神経連絡が阻害されることで麻痺を呈する病態である。脊髄損傷に対する治療法としてリハビリテーションは脳回路再編成を促すことで麻痺症状の回復を導く効果があると考えられているが、その神経活動の詳細な変化はこれまでのfMRIや電気生理学的手法には解像度に限界があり、現象理解に対して推測の域を超えることができなかった。そこでマーモセット脊髄損傷モデルを用いて、カルシウムイメージング法により数100個の神経活動を長期間同時記録することで、リハビリテーションが脳神経回路に作用する効果の検証を開始した。 初年度は健常マーモセット2匹を用いて、巧緻性の運動学習を行ったときの神経活動を計測し、学習前後で動員される神経細胞が変化することを見出した。このうち1匹のマーモセットに頸髄部分切断(皮質脊髄路損傷)を行ったところ、損傷前、損傷直後(麻痺)、回復期において動員される神経細胞が変化することが確認された。現在、神経活動の変化を定量解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は健常マーモセットにおける学習前後の神経活動の変化、脊髄損傷モデル自然回復経過における神経活動の変化を確認できた。現在これらの変化を定量解析する方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、神経活動の変化を多角的に定量する方法を検討するとともに、リハビリテーション介入により神経活動の変化がどのような影響を受けるか検討する。
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Causes of Carryover |
初年度は解析にエフォートを割いたため、動物購入飼育にかかる費用が軽減された。次年度は予定通り消費する。
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