2017 Fiscal Year Research-status Report
舌圧測定とエレクトロパラトグラフィを用いた口腔がん術後患者の構音評価法の開発
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17K13068
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
武井 良子 昭和大学, 歯学部, 特別研究生 (40534764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 構音障害 / 舌圧測定 / エレクトロパラトグラフィ / 口腔がん / 舌運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔がん術後の構音障害に対しては、構音障害による発話明瞭度が改善した報告がみられるが、訓練の効果判定は発語明瞭度検査や会話明瞭度検査など患者の発話の聴取による方法が広く用いられており、構音動態を詳細かつ客観的に評価した研究は少ない。しかし構音訓練においては、構音器官の運動に働きかける必要があり、構音訓練プログラムに直結する評価法の開発が臨まれる。われわれは、これまでエレクトロパラトグラフィを用いて、発話時の舌の口蓋への接触パタンについての研究を行ってきた。本研究では、エレクトロパラトグラフィを用いた舌と口蓋の接触パタンの観察結果に、舌圧測定の情報を追加し、多角的な構音動態の解析を可能とするあらたな構音評価法を開発することを目的としている。 研究の初年度である今年度は、エレクトロパラトグラフィおよび舌圧測定器を用いて、健常人および舌がん術後患者を対象に試験的測定を行い、被検音の種類(日本語の5母音、代表的な子音、短文など)と産生速度を決定した。また、得られたデータの解析法および解析項目についても検討した。今年度は適切な患者の選定に時間を要し、特に舌圧測定のデータ採取の開始が遅延したため研究全体の進捗に影響した。来年度以降は、健常人および口腔がん術後患者のデータ採取および分析をさらに進め、得られた結果について学会発表を行う予定である。また、健常人の発話時舌圧標準値について検討し、患者データと比較する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
適切な患者の選定に時間を要し、特に舌圧測定のデータ採取の開始が遅延したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.健常人および構音障害患者のデータ採取および分析を進める。 2.健常人の発話時舌圧標準値について検討する。 3.舌圧測定とエレクトロパラトグラフィを同期させてデータ収集を行う方法について検討する。
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Causes of Carryover |
被検者の抽出に時間を要し、EPGパレートの作製および、舌圧センサーシート舌圧プローブの購入が次年度に持ち越すこととなった。また、現有するEPG録音録画・分析システムではデータ記録容量が不足するため、次年度分の助成金と合わせてシステムを追加購入することを計画している。
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