2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Speech Evaluation Technique for Post-operative Oral Cancer Patients Using Tongue Pressure Measurements and Electropalatography
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17K13068
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
武井 良子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (40534764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 構音障害 / 舌と口蓋の接触パターン / エレクトロパラトグラフィ / 舌運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔がん術後の構音障害に対しては、構音障害による発話明瞭度が改善した報告がみられるが、訓練の効果判定は発語明瞭度検査や会話明瞭度検査など患者の発話の聴取による方法が広く用いられており、構音動態を詳細かつ客観的に評価した研究は少ない。しかし構音訓練においては、構音器官の運動に働きかける必要があり、構音訓練プログラムに直結する評価法の開発が臨まれる。われわれは、これまでエレクトロパラトグラフィを用いて、発話時の舌の口蓋への接触パタンについての研究を行ってきた。エレクトロパラトグラフィを用いた舌と口蓋の接触パタンの観察結果に、舌圧測定の情報を追加し、多角的な構音動態の解析を可能とするあらたな構音評価法を開発することを目的として本研究を行った。 舌圧計測システム「スワロースキャン」の不具合によりデータ収集・分析困難であるため、エレクトロパラトグラフィによる分析を中心に研究を進めた。また、舌がん術後患者のみでは被験者数が少なかったため、機能性構音障害例も含めて分析を行った。今年度は、構音訓練前後のデータ比較を行い、訓練後では健常人とおおむね類似した舌運動パターンが得られるが、構音訓練後も健常人には見られない舌運動パターンを示す症例も存在することが明らかとなった。 舌圧については、スワロースキャンの代替として舌圧プローブ(JMS社製舌圧測定器)による舌圧測定を行った。舌圧プローブでは同時に複数点の舌圧を測定することはできないが、舌圧プローブで測定した舌圧の増加とエレクトロパラトグラフィの接触点増加には関連が認められたため、より簡便に評価可能な舌圧測定器による舌圧測定でも構音障害患者の評価は実施可能であることが示唆された。
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