2019 Fiscal Year Annual Research Report
rTMSの脳卒中後うつ改善効果と神経可塑性関連物質との関係性の調査
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17K13070
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
新見 昌央 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30760970)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳卒中後うつ / 神経可塑性 / 経頭蓋磁気刺激 / 脳由来神経栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動療法によるリハビリテーション施行のために我々の施設に入院した30歳から90歳の慢性期脳卒中患者を対象とした。対象患者のうち、62名に対しては14日間のリハビリテーション治療と反復経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)の併用療法を行った。対象患者のうち、33名に対しては14日間のリハビリテーション治療のみ行った。治療前後のうつ状態の評価をBeck depression inventoryにて行い、治療前後の血液検体を採取した。採取した血液検体を用いて、NMDA受容体関連物質である、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、L-セリン、D-セリンの血中濃度測定を行った。その結果、Beck depression inventoryによるうつ状態の評価において、いずれの治療群でも治療前後で有意にうつ状態は改善していた。NMDA受容体関連物質の治療前後の血中濃度変化については、リハビリテーション治療とrTMSの併用治療を行った群では、リハビリテーション治療のみを行った群に比して、血中のD-セリンが有意に減少していた。リハビリテーション治療とrTMSの併用治療を行った群ではグルタミン、グルタミン酸、グリシンが減少傾向にあり、リハビリテーション治療のみを行った群では増加していた。リハビリテーション治療とrTMSの併用治療を行った群では血中のL-セリンは増加し、リハビリテーション治療のみを行った群では減少していた。
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