2022 Fiscal Year Annual Research Report
rTMSの脳卒中後うつ改善効果と神経可塑性関連物質との関係性の調査
Project/Area Number |
17K13070
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
新見 昌央 日本大学, 医学部, 教授 (30760970)
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Project Period (FY) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | 反復経頭蓋磁気刺激治療 / 脳卒中後うつ / 神経可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
反復経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)は、大脳を非侵襲的に刺激することによって、大脳を抑制あるいは賦活することで治療効果が得られる。治療効果には神経可塑性が関わっている可能性があるが、治療効果に関するメカニズムの詳細は明らかにはなっていない。本研究ではrTMSによる脳卒中後うつ症状の改善効果を検証するために、ベックのうつ病評価尺度(BDI)を用いて、rTMSの治療前後でBDIを評価した。また、rTMSの治療前後で神経可塑性にかかわる血中バイオマーカーの変化を調査した。神経可塑性にかかわる血中バイオマーカーとして、NMDA受容体関連アミノ酸である、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、L-セリン、D-セリンの血清濃度を測定した。キヌレニン経路に関わる物質である、キヌレニン、トリプトファンの血清濃度を測定した。 本研究の結果、rTMSの治療前後でBDIは減少し、脳卒中後うつ症状は改善していた。 NMDA受容体関連アミノ酸の血中濃度の変化について、rTMSを施行すると、血中のD-セリン濃度が減少し、血中のL-セリン濃度は上昇した。 キヌレニン経路に関わる物質の血中濃度の変化について、rTMSを右脳に施行されたグループでは血清トリプトファン濃度は減少し、左脳に施行されたグループでは血清トリプトファン濃度は増加していた。血清キヌレニン/トリプトファン比は右脳にrTMSを受けたグループで上昇していた。
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Research Products
(1 results)