2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of muscle stiffness increase mechanism focusing on spinal motor nerve activity
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17K13075
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中村 雅俊 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (20735287)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | せん断波エラストグラフィー / 筋硬度 / 骨格筋電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋硬度の増加はスポーツ場面およびリハビリテーションの場面で遭遇する問題であり,この筋硬度増加に関するメカニズムは明らかになっていない.そこで,本研究の目的は,脊髄興奮性の変化に着目し,筋硬度変化のメカニズムを解明することである.今年度は,筋疲労の中でも末梢性の筋疲労に着目し,骨格筋電気刺激によって惹起される末梢性の筋疲労にに伴う筋硬度および脊髄興奮性の変化を測定し,筋硬度変化に関するメカニズムの解明を明らかにすることを目的とした. 対象は健常成人男性20名の内側腓腹筋とし,疲労条件とコントロール条件の2条件を無作為な順番で実施した.筋硬度の評価は超音波画像診断装置に搭載されているせん断波エラストグラフィー機能を用いて測定した.また脊髄の興奮性は脛骨神経を刺激した際に生じるM波およびH波振幅を測定した.疲労条件は,本人が耐えることが出来る強度で骨格筋電気刺激を実施し,先行研究に従って,最大M波の80%以下になるまで骨格筋電気刺激を実施した.コントロール条件は20分間の安静臥位とした.その結果,骨格筋電気刺激後に最大M波振幅およびH波振幅は有意に低値を示した.しかし,内側腓腹筋の筋硬度は有意な変化を認められなかった.なお,コントロール条件においても有意な筋硬度の変化は認められなかった.この結果より,骨格筋電気刺激による末梢性の筋疲労によって筋硬度は変化しないことより,筋疲労の中でも末梢性疲労における脊髄興奮性の変化は筋硬度に変化を及ぼさないことが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,末梢性の筋疲労に伴う筋硬度の変化を明らかにした.研究当初の想定としては,末梢性筋疲労によって筋硬度が変化すると考えていたが,想定に反して筋硬度に有意に変化が認められなかった.そのため,筋硬度の変化には末梢性の筋疲労ではなく中枢性の筋疲労が関連している可能性が考えられる.今年度はこれらの結果を得ることが出来,今年度想定していた研究を遂行することが出来,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は末梢性の筋疲労に着目し筋硬度変化のメカニズム解明を行った.次年度は,中枢性筋疲労を含めた筋疲労による筋硬度の変化および筋損傷における筋硬度の変化と脊髄興奮性の変化について検討していく予定である.これらの検討を通して,筋硬度変化に関するメカニズムの解明を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
今年度の実験では,予定していたよりも実験に必要な時間の短縮が可能であった.そのため,今年度の被験者および実験補助者への謝金が少なかった.実験に必要な機器の購入は行えているので,次年度の実験に必要な被験者および実験補助者への謝金に計上する予定である.
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Research Products
(4 results)