2018 Fiscal Year Research-status Report
膝蓋骨可動性測定機器開発と膝OA患者の膝屈曲角度改善と活動量向上に向けた臨床研究
Project/Area Number |
17K13077
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
大古 拓史 星城大学, リハビリテーション学部, 助教 (60715126)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膝OA / 膝蓋骨可動性 / 膝屈曲角度 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに膝蓋骨可動性測定装置(PFA)の改良を実施し,再現性の高い定量化測定方法を確立した.また,膝蓋骨下方可動性低下の原因因子を究明するために,軟部組織の硬さを計測する機器をデモンストレーション踏まえて選定を実施し,実際の変形性膝関節症患者でのデータ測定の準備を完了した. 近隣の整形外科クリニックにて,保存療法中の軽度から中等度の変形性膝関節症患者を対象に,X線画像所見による重症度分類(病態分類と膝蓋骨位置:高さ)と,膝蓋骨下方可動性と膝関節屈曲角度,膝周囲の軟部組織の硬さのデータ収集を実施し,目標被験者数の1/6の被験者測定を完了した.また,活動量計を使用した活動量測定や,アンケート調査を実施した(痛み,自己効力感,QOL,ADL関連).計測を終了した被験者に,特定の2種類の簡単な運動を教授し,3ヶ月間の運動を実施して頂き,3ヶ月後に再度評価を行い運動による効果を測定する. 本研究の仮説は,膝蓋骨下方可動性が低下しており,膝関節屈曲制限が生じた変形性膝関節症患者では,膝蓋骨下方可動性を改善させることで,より膝が曲がりやすくなると考える.さらに,膝蓋骨下方可動性の制限因子としては,大腿直筋や膝蓋骨上方付近の軟部組織の柔軟性低下ではないかと考えている.膝蓋骨下方可動性の制限因子や,安静時の膝蓋骨位置によって膝蓋骨下方可動性が影響を受けているかなどが明らかになることで,治療可能な膝関節屈曲制限が明らかになる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は,膝蓋骨周囲の軟部組織の硬さを測定する機器の選定に時間を要したため,実際のデータ収集に若干の遅れをきたした.しかしながら,近隣の整形外科クリニックにてデータ収集を開始し,15名の計測を終了した.また,介入研究に向けた運動指導を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は引き続き近隣の整形外科クリニックにて,保存療法中の軽度から中等度の膝OA患者におけるX線画像所見(病態分類と膝蓋骨位置)と膝蓋骨下方可動性と膝関節屈曲角度,膝周囲の軟部組織の硬さのデータ収集を実施する. データ収集完了後,各項目の関連性から,病態と膝関節屈曲角度の低下と膝蓋骨可動性低下の関連性を明らかにする.また,膝蓋骨下方可動性低下の原因を明らかにしていく. さらに,30名程度の介入研究を実施し,膝蓋骨下方可動性の改善が膝関節屈曲角度の改善に寄与するかについて,予備研究を実施していく.
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Causes of Carryover |
2018年度は,膝蓋骨周囲軟部組織の硬さを測定する計測装置の選定に時間を要し,実際の被験者でのデータ測定に若干の遅れが生じた.そのため,学会発表等が一部実施出来ずに,2019年度に助成金を繰り越す結果となった. 2019年度は,引き続き被験者でのデータ測定を行うとともに,学会発表や論文掲載などの成果発表に助成金を使用する予定である.
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Research Products
(2 results)