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2017 Fiscal Year Research-status Report

Rehabilitation with stochastic resonance for chemotherapy induced peripheral neuropathy

Research Project

Project/Area Number 17K13080
Research InstitutionKio University

Principal Investigator

大住 倫弘  畿央大学, 健康科学部, 助教 (70742485)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords化学療法誘発性末梢神経障害
Outline of Annual Research Achievements

化学療法誘発性末梢神経障害(chemotherapy induced peripheral neuropathy: CIPN)による手指巧緻運動障害を運動学データで定量化するために,小さなオブジェクトを把持する運動を3次元運動計測システムにて分析した.そして,得られた座標データを3階微分して得られる躍度が健常者よりも高い値になっていることを確認した.これは,CIPNによって運動のスムースさが障害されていることを示しているデータであり,手指巧緻運動障害を運動学的に定量化することができたことになる.一方で,単純な運動である「手指タッピング運動」の運動的数値には異常が認められなかったことから,CIPNの手指巧緻運動障害は筋力低下などの単純な運動障害ではなく,感覚-運動ループにおける運動制御異常であることが示唆された.
以上の事から,CIPNの体性感覚機能を向上させることが,手指巧緻運動障害への適切なリハビリテーションであることが考えられたため,我々は体性感覚機能を向上させる確率共鳴現象ランダムノイズ刺激デバイスの開発・検証した.そして,健常者の体性感覚機能がランダムノイズ付加によって向上することを心理物理実験によって確認することができた.現在では,CIPN症例にランダムノイズを付加した際の手指巧緻運動を計測して,その効果の検証を実施している.当初は,振動刺激によってしびれ感が増幅するのではないかと懸念されたが,確率共鳴現象を誘発する刺激強度は極めて低いため,しびれや不快感などは増幅しないことは確認できている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度に計画していた「CIPNに特徴的な運動障害の簡易評価システム構築」はおおむね順調に進行しており,手指巧緻運動の計測そのものは数分で実施可能なまでに簡略化できてきている.また,手指タッピング運動の計測および分析方法も確率することができており,こちらも臨床現場に応用できるレベルにまで達している.ただし,これらは運動学的分析のみであるため,今後は運動力学データの簡易計測に向けて整備をしていく必要がある.なお,これらの研究成果は国際ジャーナルおよび国内学会で成果報告をしている.
また,平成29年度に計画していた「体性感覚機能を向上させる確率共鳴現象ランダムノイズ刺激デバイスの開発」についても,おおむね順調に進展しており,既に健常者での予備実験は修了して,その効果を確認することができている.
平成30年度以降に計画している「確率共鳴現象がCIPN患者の運動障害へ及ぼす効果の検証」について,既に効果検証プロトコルは確定しており,参加する症例のリクルート体制も整備されているため,おおむね順調に進行している.

Strategy for Future Research Activity

平成30年度以降に計画している「確率共鳴現象がCIPN患者の運動障害へ及ぼす効果の検証」を進めるべく,随時CIPN症例を対象にした検証作業を実施する.そして,それぞれの症例の症状と照らせ合わせながら,リハビリ効果が得られやすい(あるいは得られにくい)特徴分析を実施し,その効果の射程を明確にしていく.具体的には,「刺激なし条件」,「感覚閾値以下のランダムノイズを付加する条件」,「感覚閾値以上のランダムノイズを付加する条件」のそれぞれの条件下での運動評価を実施し,開発したランダムノイズ振動バンドにおけるCIPN 患者の運動機能へ及ぼす即時的効果を検証する.そして,レトロスペクティブに症状との関連について調査をする.その検証作業が終了したら,複数医療機関や在宅リハビリの現場にそのまま応用して,長期臨床試験まで実施することを計画している.

Causes of Carryover

研究環境を予定よりも安価に整備することができたために使用額が下回ったが,研究は予定通り遂行できているため,2018年度の研究成果公表のために係る費用として使用することを計画している.

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Kinematic evaluation for impairment of skilled hand function in chemotherapy-induced peripheral neuropathy.2019

    • Author(s)
      Osumi M, Sumitani M, Abe H, Otake Y, Kumagaya SI, Morioka S
    • Journal Title

      J Hand Ther

      Volume: 32 Pages: 41-47

    • DOI

      10.1016/j.jht.2017.06.003

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 化学療法誘発性末梢神経障害が手指つまみ動作のスムースさを阻害する-運動学的分析を用いて-2018

    • Author(s)
      大住倫弘,住谷昌彦,阿部博昭,大竹祐子,森岡 周
    • Organizer
      第2回がん理学療法カンファレンス
  • [Presentation] 感覚閾値以下のランダムノイズ振動刺激が触覚機能に及ぼす影響2017

    • Author(s)
      大住倫弘,西祐樹,住谷昌彦,森岡周
    • Organizer
      第51回日本理学療法学術大会
  • [Presentation] ランダムノイズ振動刺激が高齢者の手指巧緻性を改善させる2017

    • Author(s)
      大住倫弘,西祐樹,住谷昌彦,森岡周
    • Organizer
      第25回日本物理療法学会学術大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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