2019 Fiscal Year Annual Research Report
Validity of extended field-of-view ultrasound imaging to evaluate quantity and quality of abdominal skeletal muscles
Project/Area Number |
17K13087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 憲子 (石黒憲子) 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (70439280)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超音波画像 / 磁気共鳴画像 / サルコペニア / メタボリックシンドローム / 骨格筋 / 筋内脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
腹部と背部の骨格筋は全身の骨格筋の中で最も加齢に伴い萎縮しやすく,筋内へ脂肪が蓄積しやすいことが知られている.また,腰部の骨格筋は内臓脂肪の蓄積に伴い萎縮するとの報告もある.すなわち,腹,背,腰など体幹部に位置する骨格筋とその筋内に蓄積する脂肪の量を観察することは,加齢に伴う骨格筋量や身体機能の低下(サルコペニア)や運動器症候群(ロコモティブシンドローム)の予防・改善に有効である.そこで本研究では,医療機関や研究現場に広く普及しており実験室外にも持ち出し可能な超音波法に着目し,プローブを連続的に動かして構築したパノラマ超音波画像による体幹部骨格筋の量的(横断面積)・質的(筋エコー強度)評価の妥当性について検証した.最終年度にあたる今年度は,これまでに取得した画像データの解析を行った.その結果,パノラマ超音波画像の分析により得られた体幹部骨格筋(腹直筋,腹斜筋群,脊柱起立筋群)の横断面積は,MRI画像による分析値とおおむね一致し(R2= 0.727~0.842),系統誤差も認められなかった.また,各筋群におけるエコー強度は,MRIから算出した筋内への脂肪蓄積度と有意な正の相関を示した(r = 0.523, p<0.05).ステップワイズによる重回帰分析の結果,内臓脂肪面積の有意な予測変数として,腹斜筋群のエコー強度が選択された.以上の結果から,パノラマ超音波画像により評価した体幹部骨格筋の量的・質的評価値の妥当性が確認された.また,パノラマ超音波画像により評価した筋エコー強度を内臓脂肪面積の推定に応用できる可能性も示された.この成果を国内の学術集会にて発表した.また,現在,国際学術雑誌に投稿し,査読結果を待っているところである.
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