2020 Fiscal Year Research-status Report
持続的血液濾過透析中の早期離床は患者の予後を変えられるか?
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17K13091
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
矢野 雄大 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10771389)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CHDF / 早期離床 / リハビリテーション / ICU |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度よりCHDF中の早期離床の有効性の検討方法を、ヒストリカルコントロールとの比較する方法へ変更しており、介入群の症例数の蓄積を継続している。その結果、心臓血管外科術後のCHDF中の早期離床により、対象者の重症度は同程度にも関わらず術後の離床の進行が早くなるだけではなく、トイレ歩行の開始などADLの拡大状況の早期化や、在院日数の短縮化などの効果が認められている。さらにCHDF中の早期離床を行う上で、処置を要するレベルの有害事象の発生は0件であった。また、早期離床前後で透析関連の各血液データを悪化することなく実施可能であることなどが確認されている。これらの結果から、CHDF中の早期離床の有効性、安全性が示唆されるものと考えられる。 術後にCHDFを要するような患者は、もともと透析が導入されている患者であり、その特徴としては一般的に身体的にはフレイル、虚弱な状態である。このような患者が、外科手術の中でも侵襲が大きいとされる心臓手術を受け、さらに術後に安静が強いられるCHDFを実施されることは、身体的に致命的となりうる。その中で、CHDF中に早期離床を行うことが術後の安静を最小限に留め、身体機能の低下を最低限に抑制することに繋がり、身体機能の回復が早まることが、術後の短期的、ひいては長期的な予後の改善に寄与し、ひろくは医療経済にも好影響をもたらしうる。本研究の成果が、これらのことを支持する一助となりうると期待する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例数の蓄積はできている一方で、コロナウイルスの影響もあり、関連学会の中止なども相次ぎ、学会報告が行えておらず、論文の作成も滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるため、論文の作成を進め、関連学会や関連ジャーナルなどへ投稿を行ない、研究成果を発表していく。
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Causes of Carryover |
検査などに必要な物品の消耗が少なく、物品の補充に当てる費用が不要となった点、またコロナウイルスの影響による関連学会の中止に伴い、旅費などが必要とならなかった点などから、その分の費用が繰り越されている。また、論文作成の際の校正費、投稿費用なども本年度では必要とならなっかたために、次年度に持ち越される形となっている。さらに今後、解析に必要となる統計ソフトも未購入であることも次年度使用に当てる予定である。
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Research Products
(4 results)