2017 Fiscal Year Research-status Report
リフォーカシングに基づく3次元血管イメージングシステム
Project/Area Number |
17K13095
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
吉本 佳世 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 助教 (00735409)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 近赤外イメージング / 血管イメージング / 3次元イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血管の3次元構造可視化を実現するために、近赤外光とレンズアレイを用いた血管の非接触3次元イメージングシステムの開発を目指している。本年度は、散乱抑制手法に関する基礎的な評価を行った。血液中のヘモグロビンは近赤外光を強く吸収するため、人の指や腕に近赤外光を当てて撮影を行うと、血管部分のみが黒く映る。この近赤外光により取得した画像と画像処理により焦点位置を変えた画像を生成する技術を組み合わせることで、血管の3次元位置を取得することができる。しかし、生体組織は強い散乱性を持つため、取得した透視像は散乱光の影響を受け、血管とそれ以外の部位の境界がぼやけてしまう。この画像のぼけは血管の位置推定の精度に大きく影響する。そこで、レンズアレイを用いて角度フィルタリングを行い、散乱媒質を通過した光の直進成分と散乱成分を分離することでレンズアレイを通過した散乱光の強さを推定する。推定した散乱光の強さを用いて、直進光のみを推定することで、鮮明な画像を得ることができる。血管模擬物体(光を通さない物体)を散乱媒質中に設置して撮影を行い、上述の処理を用いたところ、散乱媒質がない場合と比べて大きく低下していた物体境界のコントラスト比が、処理を行わない場合と比べて大きく向上する効果が確認できた。また、上述の処理を行った上で、カメラ位置を変更して視差画像を取得し、リフォーカシングによる物体の深さ推定を行ったところ、散乱媒質がない場合と同じ結果が得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
システムの基本的なアルゴリズムの構築などは順調に進んでいるが、定量的な評価を行うための生体の散乱を模擬したファントムの製作がうまく進んでいない。引き続き関連論文の調査や試作により実験を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き生体ファントムを用いた評価を進めるとともに、ヒトに対する評価実験も進めていく予定である。超音波撮像装置を用いて得たヒトの血管位置と、提案システムにより推定した血管位置を比較し、結果を元に処理アルゴリズムの再検討を進める。また、現在は装置性能の都合上、リフォーカス画像を取得するためにカメラの位置を変更してリフォーカス画像生成用の視差画像を取得しているが、カメラの位置変更なしに視差画像を取得できるように装置の改良を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
ファントム作製の遅れの影響により購入予定だった超音波撮像装置の選定が遅れているため。基礎評価の結果をふまえてスペックを考えて購入予定であり、30年度に購入を予定している。また、旅費については他の予算から充当したため。この分については30年度以降に当初の予定以外の学会へ積極的に参加することで使用する予定である。
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