2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a rehabilitation strategy for extending healthy life span in hemodialysis patients
Project/Area Number |
17K13097
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
河野 健一 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (10638480)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 透析患者 / 健康寿命 / サルコペニア / レジスタンストレーニング / 運動習慣 / 握力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、本研究課題の主題である健康寿命の延伸の観点から、追加のデータ分析と統計解析ならびに論文作成を主に実施した。 具体的には、2019年にアジア人のサルコペニアの新たな考え方として、Asian Working Group for Sarcopenia (AWGS)2019が示され、AWGS2019におけるサルコペニアの可能性を早期にスクリーニングし、それを運動等の介入に繋げることの妥当性を、本邦の血液透析患者をサンプルとして検証した。AWGS2019においてサルコペニアの可能性を示す、握力低下(男性<28kg、女性18kg)、運動パフォーマンス低下(5回椅子立ち上がりテスト<12秒)における生命予後との関連を確認した。結果、死亡リスクは、握力が基準値未満の場合に3.61倍(95% confidence intervals ,CI: 1.70-7.68)、運動パフォーマンスが基準値未満の場合に1.71倍(95%CI: 1.01-2.90)高かった。 つまり、健康寿命の喪失と密接するサルコペニアの可能性が高い状態にある透析患者は、そうでない患者と比較し4倍近く死亡リスクが高く、握力測定にてそれを把握しておくことが重要であることが示唆された。 上記の本年度の成果を含め、研究期間全体を通じた研究の成果として、サルコペニアの患者は健康寿命を喪失しやすいこと(2017年度)、サルコペニアの背景には低栄養が関連し年代別にみると高齢透析患者ほど身体機能の低下が著しく、サルコペニアの透析患者にはスローレジスタンストレーニングが効果的であること(2018年度)、サルコペニアに至る前段のより早期から運動習慣を獲得することが重要であること(2019年度)、サルコペニアの可能性ならびに運動介入すべき透析患者の把握は握力の測定が有用であること(2020年度)を示すことができた。
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