2018 Fiscal Year Research-status Report
踵骨-下腿の運動連鎖が変形性膝関節症および外側ヒールウェッジ効果に与える影響
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17K13098
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
江戸 優裕 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (20743694)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 運動連鎖 / 足部 / 慣性センサ / 三次元動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
歩行などの足部への荷重動作時において、踵骨が回内すると下腿の内旋が、踵骨が回外すると下腿の外旋が伴って生じる(以下、踵骨-下腿の運動連鎖)。この運動連鎖の機能は、足部の前額面運動と下腿の水平面運動のトルク変換であり、下肢の力学的ストレスに関与すると推論される。変形性膝関節症の発症および進行の一因として、膝関節への力学的ストレスの増加が指摘されており、踵骨-下腿の運動連鎖もこれに関与する可能性がある。したがって、踵骨-下腿の運動連鎖と膝関節の力学的ストレスとの関係性に着目しつつ変形性膝関節症の病態運動を明らかにすることを主眼に置いて研究を開始した。 本研究では、将来的に大規模な計測機器のない臨床現場において変形性膝関節症者の動作解析を行うための前段階として、健常者を対象に三次元動作解析装置と慣性センサの同期計測を行ない、慣性センサによる計測手法の信頼性を確認した。その結果、概ね問題ないと判断されたため、当該年度では変形性膝関節症者の動作計測に着手した。それと並行して、健常者における計測結果をまとめ、踵骨-下腿の運動連鎖の動態の個人差や年齢差・性差・左右差、動態を決定する足部の解剖学的要因、足関節肢位による動態変化などについて明らかにした。 歩行時に生じる運動連鎖と膝関節の力学的ストレスの関係については、現在解析を進めているところであり、今後関連学会で発表予定である。変形性膝関節症者の計測データはまだ十分な数が揃っていないため、今後も計測および解析を進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
変形性膝関節症の対象者の収集が当初の計画よりも遅延しているため。 研究者の職場異動に伴い、研究環境および研究協力機関との連携に再調整が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者における踵骨-下腿の運動連鎖の動態解析の結果は概ね発表したため、今後は健常者における歩行時に生じる運動連鎖と膝関節の力学的ストレスについて解析を進める。それとともに、変形性膝関節症者の計測および解析をさらに進める計画である。
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Causes of Carryover |
出席する学会を次年度に開催されるものに延期したことや、計測の対象者や協力者への謝礼金の一部を所属機関の研究費から捻出することができたため。 次年度には研究成果の発表を目的に国際学会への出席を予定している。
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