2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on inside and outside body area communication for medical care, health care and welfare in the next generation
Project/Area Number |
17K13101
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
越地 福朗 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (00610445)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ボディエリアネットワーク / ウェアラブル機器 / 共振結合 / 磁界 / コイル / アンテナ / 人体 / 生体安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,平成29年度に得られた成果をもとに,実用化を視野に入れたより具体的な検討へと研究を進めた.インプランタブル機器やウェアラブル機器を身につけて生活することを考えると,たとえば,手足は様々な角度に折り曲げられるなど,日常生活の中で,人体の様々な姿勢変動が想定される.こうした人体の姿勢変動などに対する送受信アンテナ間の伝送特性変動や電磁界分布などを検討した.また,これらの姿勢変動などに起因する伝送特性の劣化が生じるような場合において,電源を必要としない無給電の中継アンテナコイルを導入することで,伝送特性を向上させる提案・検討を行った. その結果,無給電中継アンテナコイルが送受信コイル間に挿入された場合,中継アンテナコイルが送受信アンテナコイルに近接する場合を除き,伝送特性は中継コイルなしの場合と比べて,最大8.9 dB改善することを確認した.また,送受信アンテナコイル,および中継アンテナコイルの周囲に分布する磁界強度分布から,送信アンテナコイルにおいて励振された磁界が,中継アンテナコイル誘導され,受信アンテナコイルへと効果的に伝送される様子が確認され,中継コイルの導入による伝送特性の改善の効果が確認された. さらに,人体の電磁波防護の観点から,人体近傍に配置される磁界励振型アンテナから放射される電磁波に対する生体安全性についても,国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)によって定められた国際ガイドラインや総務省の定めるSAR制限値と照らし合わせて評価を実施し,電磁的生体安全性が確保されていることを確認した. 本年度の研究で得られた成果は,平成29年度に得られた成果とあわせ,腕部装着型電磁界共振結合型のボディエリア通信システム設計時の重要な知見として役立つものといえる.
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