2017 Fiscal Year Research-status Report
随意運動中の末梢磁気刺激が皮質運動野の興奮性に及ぼす影響
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17K13102
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
浅尾 章彦 新潟医療福祉大学, リハビリテーション部, 助教 (40780268)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 末梢性磁気刺激 / 神経リハビリテーション / 皮質運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,健常者の皮質運動野の興奮性に対する,随意運動中の末梢性磁気刺激の最適刺激パラメータを明らかにし,随意運動中の経皮的電気刺激との比較を行うことであり,末梢性磁気刺激を臨床応用する際に不可欠な基礎的データを提示することを目的としている. 平成29年度は,1)研究計測システムの構築,2)反復末梢性磁気刺激の刺激音が体性感覚刺激の検出に及ぼす影響の検討を行った.1)研究システムの構築では,末梢磁気刺激装置を含めた研究計測システムを構築した.現在は,健常被験者を対象に,末梢磁気刺激が皮質運動野の興奮性に及ぼす影響について予備的な計測を開始している.2)反復末梢性磁気刺激の刺激音が体性感覚刺激の検出に及ぼす影響の検討では,経皮的電気刺激と比較した際の末梢磁気刺激の特徴の一つである刺激音が磁気刺激による体性感覚刺激の知覚に影響するか否かを検討した.実験では,健常成人被験者19名に対して,反復末梢性磁気刺激を知覚した際に反応する体性感覚刺激検出課題を行った.実験は,聴覚刺激あり(刺激音あり)と聴覚刺激なし(刺激音を遮断)の2条件を行った.反復末梢性磁気刺激は,刺激周波数10 Hz,刺激時間2秒間,刺激強度は感覚閾値の0.6~1.4倍とし,計90回を恒常法にて実施した.心理測定関数を用いて分析した結果,聴覚刺激あり条件の検出閾値は聴覚刺激なし条件と比較して低かった.本研究から,健常者に対する反復末梢性磁気刺激において刺激音が体性感覚刺激の知覚を促通する可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計測システムの構築には予定以上に時間を要した一方で,末梢性磁気刺激の特徴の一つである刺激音が健常者の体性感覚刺激の知覚に及ぼす影響を明らかにできた.今後は,末梢性磁気刺激が健常者の皮質運動野の興奮性に及ぼす影響を中心に研究を進める.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に構築した研究計測システムを利用し,末梢性磁気刺激が健常者の皮質運動野の興奮性に及ぼす影響を検討する.最適刺激パラメータ―については先行研究を参考に設定することで本研究の効率的な推進を図る.また,随意運動中の末梢性磁気刺激の検討を行う前段階として,健常者の運動イメージ中の反復末梢性磁気刺激が皮質運動野の興奮性に及ぼす影響を検討する.
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