2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of eye-tracking system for early detection of mild cognitive impairment
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17K13103
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山崎 一徳 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 助教 (30733399)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症予防 / 視線計測 / アルゴリズム / 信号処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知機能の低下に伴い視線の移動速度の低下や、特異的な眼球動作が現れるという仮説を検証するための視線計測システムを開発した。視線計測システムは、ノートPC、視線計測センサ、液晶ディスプレイで構成される。視線計測センサは、対象者への身体的負担が最も少ない非接触型の視線計測センサ(Eye track 4C、トビー社製)を用いた。このセンサは安価である一方、計測用のソフトがメーカーから提供されていないため、VC#による計測プログラムの開発を行った。さらに、視線計測中の被験者の体の動きを確認するために、3次元深度センサ(KINECT V2、マイクロソフト社製)を用いた頭と肩の動きの計測と、圧力分布センサ(SRソフトビジョン、住友理工)を用いた座面の圧力変化の計測も同時に行える計測システムを構築した。 一般的に視線計測センサは、対象者毎のキャリブレーションが必須とされている。キャリブレーション作業は、対象者に気づかれずに測定を行うという本研究のコンセプトから外れてしまう。そこで、本人モデル、裸眼モデル(コンタクトレンズ装着の有無問わず)、眼鏡モデルの3つのキャリブレーションモデルを用意し、若年健常者を対象とした臨床試験によりキャリブレーションの必要性を確認した結果、キャリブレーションを行わない場合の計測精度が許容範囲内であることを確認できた。さらに、認知機能を確かめるMMSEテストを基にした、「複数の単語の記憶→簡単な引き算の問題→先に記憶した単語の再生」中の視線注視課題を若年健常者に対して行った結果、単語の語数が増えることで視線の注視が困難になることも発見できた。これらの成果により、次年度は認知機能の低下と視線の動きの関係を確認できると考える。なお、本研究は、藤田保健衛生大学医学研究倫理審査委員会の承認(受付番号:HM17-202)を受けて実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り進めることができている。また、当初の計画になかったキャリブレーションの有無を確認できたことは大きい。しかし、計測信頼性を確認する計画を立てていたが、今年度は行えなかったため次年度に必ず行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究所見を踏まえ、健常者と患者を対象とした臨床試験を遂行させる。これにより、認知機能の低下に伴い視線の移動速度の低下および、特異的な眼球動作が現れるという仮説の検証を目指す。得られた成果より、特許申請や学術論文等も発表していきたい。
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Causes of Carryover |
物品費を増やすことで計測システムを複数用意できたことにより、実験補助者への謝金が不要になった。さらに被験者は、ボランティアで参加していただけため、謝金が不要であった。特許出願の関係で研究成果の発表ができなかったこともあり、差額が生じたと考えている。
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