2018 Fiscal Year Research-status Report
短縮筋の同定およびストレッチングが可能な足部リハビリテーション機器の開発
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17K13108
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Research Institution | Aichi Medical College for Physical and Occupational Therapy |
Principal Investigator |
山田 南欧美 愛知医療学院短期大学, 理学療法学専攻, 助教 (40779071)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ストレッチング / リハビリテーション機器 / 内反尖足 / 短縮筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,脳卒中後遺症の一つである内反尖足を効果的に治療するために,内反変形に関する短縮筋の同定,およびその筋を狙ったストレッチングが可能なストレッチング機器の開発を目指している. 内反尖足は複数の痙性筋が関与して足部が三次元的に変形する症状であり,臨床においてはその痙性筋をストレッチングすることによって,症状の改善を図る.これは療法士が徒手にて行うことが多く,療法士が解剖学的知識に基づきながら,短縮筋の抵抗感を感じつつ,適切な方向へと対象部位を伸張するとても複雑な手技である.これを自動化するには,短縮筋を自動に同定し,筋の張力を検知しながら,適切な伸張力を加えていく必要がある. 筋の張力を非侵襲的に確認する方法は未だ確立されていない.そのため,本研究では,非侵襲的な方法として,既知の張力で伸張した筋を皮膚の上から加振し,その際の各筋のインピーダンスを計測して筋張力を推定する方法を提案した.体表面上から筋に加振する装置を作製しているが,筋の表層に存在する皮膚や脂肪の影響の排除が課題となっており,引き続き検討を重ねる予定である.また,筋張力を推定した際のリファレンスとして利用する超音波画像診断装置については,一定圧で固定しながら計測する方法を考案済みであり,その方法の妥当性を健常者において検証した. 短縮筋同定に必要な三次元的な足関節抵抗トルクを測定する装置については,三次元的に足部を動かす装置を作製済みであり,足底板部や足底板部をコントロールするワイヤー部に加速度センサや張力センサを搭載し,抵抗トルクを測定できる仕様を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に育児休業による研究中断期間があったため,全体的に課題遂行が遅れている.筋加振装置の作成に取り組んでいるのと並行して,超音波画像診断装置の安定した撮像方法の確立に取り組み,こちらでは成果が得られている.また,足関節抵抗トルクの計測装置も作成は開始している.引き続き,筋加振装置の完成および足関節抵抗トルク計測装置の完成を目指し,検討・改良を重ねる.
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Strategy for Future Research Activity |
筋加振装置の作成において,皮膚や脂肪の影響について超音波画像診断装置を用いてより詳細に調査し,安定したインピーダンス計測の方法を確立する.また,筋を加振する位置や押し付け力についても,超音波画像診断装置によるリアルタイムな変化を観察しながら,再検討する. 足関節抵抗トルク計測装置については,搭載したセンサの妥当性を確認し,健常者を対象に足関節抵抗トルクのデータ収集を進めていく.
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