2018 Fiscal Year Research-status Report
包括的な破損・修理対策に向けた下肢装具ユーザー像の構築
Project/Area Number |
17K13110
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
石渡 利奈 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (10415359)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 下肢装具 / 義肢装具 / 破損 / 工学的試験評価 / ユーザー特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、破損・修理に対する包括的な対処に役立てることを目的とし、規格作成の基盤となる下肢装具のユーザー像を構築する。具体的には、①工学的試験評価の観点から下肢装具の類型化、②工学的試験評価に関連するユーザー特性の抽出、③典型的な破損・修理の事例、ユーザー特性データの集積を行って、④下肢装具とユーザー特性との関係性を可視化するマップを開発する。平成30年度は、②~③について、以下の研究を行った。 ②文献調査およびインターネット調査により、下肢装具の種類や機能に応じたユーザー特性・適応を調査した。本結果について、装具の種類とユーザーの適応を対応づけた表を作成し、試験評価に関連するユーザー特性を示した。 ③2018年10月末までに収集した75例の破損事例について、破損の種類ごとに、ユーザー特性(破断)体重、使用期間、活動度、年齢等)との関係を分析した結果、特定の破損を生じさせるユーザーの傾向や、特定の装具に共通する破損の傾向等が示される可能性が示唆された(義肢装具学会にて発表)。 また、先行研究にて収集した事例と、義肢装具学会以後のデータ(2019年2月末現在)を合わせた計311件について、さらなる分析を行った(ストラップ類の破損135例、底材の摩耗やはがれ75例、金属製部品の破損43例、プラスチック製短下肢装具本体の破損36例)。 金属製部品の破損については、43例中、27例が両側支柱付き金属製短下肢装具の破損であり、27例中20例があぶみ、または足板の破損であった。20例中18例が耐用年数(3年)以内に破損していた。あぶみの破損については、成人(40kg以上)かつ活動度の高いユーザーで破損が多く見られ、これらのユーザーを中心に、対策が必要な可能性が示唆された(本内容については、国際義肢装具学会で発表予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の当初計画は、②、③を進める計画であり、概ね目標を達する成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、③について、平成29年度から、31年度にかけて集積したデータを分析する。 また、④について、類型化した下肢装具の種類毎にユーザー特性の項目と内容を対応づけたマップを作成する。
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Causes of Carryover |
当初計画より旅費が抑えられ、残額が生じた。 平成31年度は、破損事例収集に関して、クラウド利用料金に、43万を支出予定である。他、学会参加費、情報収集のための旅費等を支出予定。
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Research Products
(1 results)